卒前緩和ケア教育については各大学医学部・医科大学、看護大学・看護学校で取り組まれるようになってきており、看護学部ではコマ数・専門担当教員ともに医学部を上回っている。医学部でも取り組みの姿勢が見えるが、講義コマ数を見ても十分とは言い難い。コマ数では医学部を上回る看護学部についても系統講義の確立、教科書の整備については今回のアンケートではつかめず、今後の調査が必要と思われる。看護教育の場における教科書の内容調査は米国で行われており、この調査では緩和ケアに対する記述の少なさが指摘されている(文献3)。 緩和ケア教育に対しては、カリキュラムの構築ばかりでなく教科書の充足も考えていかねばならない。他国を見ると臨床医に対する緩和ケア教育の重要性が提唱され、現場のスタッフもより高いスキルを要求しており、学生の緩和ケアに対する高い関心も指摘されているが、この分野での系統講義は確立されておらず、卒前の体制は十分とは言い難い(文献4、5、6、7、8)。 |
【表3 ホスピス・緩和ケア教育カリキュラム】 (全国ホスピス緩和ケア病棟連絡協議会)
《一般目標》 良質なホスピス・緩和ケアを提供できるように知識、技術、態度を身につける。 それにもとづいてホスピス・緩和ケアを実践し、啓発することができる。 |
《行動目標》 1.疼痛マネジメントができる 2.症状マネジメントができる 3.心理社会的側面を理解し、助演できる 4.霊的側面を理解し、援助できる 5.倫理的側面を理解し、援助できる 6.チーム医療を理解し、援助できる 7.行政、法的問題を理解し、援助できる |
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