20~89歳の男女1,078名に聞いた 『ホスピス・緩和ケアに関する意識調査』 財団法人 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団では、全国に居住する20~89歳の男女1,078名を対象に、標記についてのアンケート調査を実施いたしました。 この程、その調査結果がまとまりましたのでご報告いたします。 多くの先進国において死因の第1位はがんとなっており、わが国においても、死亡者の3割はがんによるものとなっています。こうしたがんによる死亡者の増加に伴って、末期がん患者に対する終末期医療のあり方が大きな問題となってきています。 すなわち、人々の「自分らしい最期を過ごしたい」という意識の高まりによって、治癒の見込みがなく、死期が近い患者を中心として、治癒を目的とした積極的治療を最期までおこなうのではなく、終末期のQOLの向上を目指すホスピス・緩和ケアに対するニーズが高まってきています。 さらに、わが国では死亡者の約8割が病院で死を迎えているという実態がありますが、「自宅で死を迎えたい」という人々のニーズは高く、ホスピス・緩和ケアを在宅で受けることによって自宅で終末期を過ごすことを可能にしようという取組も行われるようになってきています。 そこで、本調査は、ホスピス・緩和ケアに対する人々の意識をアンケート調査によって分析し、今後のホスピス・緩和ケアの普及に向けた課題や施策を明らかにすることを目的としています。 本調査で取り上げる具体的なテーマは大きく2点あります。 第1のテーマは、人々がどんな終末期医療を望み、どのような最期を送りたいと考えているのかを明らかにします。なかでも、ホスピス・緩和ケアを取り上げ、その認知度やイメージについても調査し、そのうえで、どのような条件が整えば、多くの人々が望む「自宅での最期」を実現できるかを検討しました。 第2のテーマは、治癒の見込みがない病気にかかり、死期が近い場合、人々はどのような精神的な問題を抱えるのかを明らかにすることです。どんなことが不安や心配であるのか、これまでの人生をどのように捉えるのか、また心の支えになると思う人は誰なのかといった内容について分析しています。さらに、身近な人や大切な人と死別したときに、残された人にとって何が精神的な支えになるか、また第三者からの精神的な支えが必要かどうかについてもたずねています。 また、死生観を構成する因子を取り出し、死に直面したときの人々の態度はこうした因子とどのような関連があるのかについても分析しています。 調査概要
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