スキンケア: |
リンパ浮腫を引き起こしている皮膚に対して、感染予防や二次感染のために皮膚の保護を行うため、ワセリン、ザーネ、流動パラフィン+ワセリン(1対1)を塗布し、患者の好みに合わせていずれかの皮膚保護剤を活用する。 また、リンパ漏、皮膚転移、腫瘍による自壊を認める場合、医師の指示のもとアズノール軟膏や爪白癬の場合はマイコスポール軟膏等を使用する。 |
徒手リンパドレナージ: |
イギリスやドイツで行っているリンパ浮腫に対するドレナージ方法に基づいて、2種類のマッサージを行なう。ひとつは患者自身や家族がおこなうことが可能な簡易的リンパドレナージ(SLD)とリンパ浮腫のスペシャリストが行なうマニュアルリンパドレナージ(MLD)である。 リンパ還流の障害を受けている部分を把握したうえで、ドレナージの手順を決定していく |
圧迫療法: |
圧迫療法には、圧迫包帯法とスリーブ・ストッキングを使った圧迫法の2つの方法がある。 圧迫包帯法には筒状包帯(商品名:チュービコット)綿包帯、メディ(ドイツ製)、またはジョブスト(ドイツ製)のリンパ浮腫用の圧迫包帯を用い、スキンケアとマッサージの終了後、ドイツ式の包帯法の手順にそって、実施する。また、測定方法Aで行なった結果、患側の体積が健側の20%以上の場合にも圧迫包帯を活用する。 次に、測定により左右差の体積が20%以下になった場合は、メディのスリーブやストッキング(下着のようになっている圧迫が可能なサポートタイプのもの)の着用が可能であることを説明する。 但し、スリーブ等の使用にあたっては、費用が自己負担となるために患者の意思決定が優先される。 メディやジョブストの圧迫包帯法で苦痛や活動制限がある場合には、それらの代用として筒状包帯(商品名:チュービッコット)を活用する。 |
運動療法: |
患肢の可動域に制限がない場合や、苦痛を伴わない場合には、上肢・下肢屈伸運動を進める。 上肢の運動としては、肩まわし、または髪をとく動作や壁に向かって手を挙上することを、継続的に行う。 |