■Module14■ コミュニケーションと 精神的援助
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〔一般問題〕
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問題1 |
がんの告知など悪いニュースを伝えた際の危機的反応について正しいものはどれか |
(1) |
伝えた直後には,説明の内容が頭に入らないことはよくある |
(2) |
適応までの過程を行きつ戻りつすることはよくある |
(3) |
悪いニュースへの適応に数ヵ月程度かかることはよくある |
(4) |
伝えた数日後に抑うつを認める時は,うつ病であることがよくある |
(5) |
危機的反応には個人差がある |
a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) |
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問題2 |
悪い知らせを伝える方法について誤っているものはどれか |
(1) |
事前に頭の中でリハーサルを行う |
(2) |
患者が問題をどのように認識しているかを評価する |
(3) |
なるべく詳細な情報を伝える |
(4) |
患者の情緒的側面のケアは時を改めて行う |
(5) |
患者の理解の程度を確認しながら進める |
a(1),(2) b(1),(5) c(2),(3) d(3),(4) e(4),(5) |
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問題3 |
悪い知らせを伝えることについて適切なものはどれか,1つ選べ |
(1) |
患者自身による告知に関する意向は参考程度にする |
(2) |
患者が悪い知らせに耐えられるかを告知するかどうかの判断材料にする |
(3) |
告知をするかどうかについて事前に家族と相談する |
(4) |
患者が告知を希望しない場合,その話題には触れない |
(5) |
家族が告知を希望しない場合,なぜ希望しないのかを話し合う |
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問題4 |
がん患者との精神的負担に関するコミュニケーションのあり方について必要と思われる配慮はどれか |
(1) |
楽観的な態度を示す |
(2) |
感情の表出を促す |
(3) |
共感を示す |
(4) |
適応的な行動を評価する |
(5) |
患者の考え方を改める |
a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) |
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問題5 |
進行・終末期の患者における精神的援助について正しいものはどれか |
(1) |
否認や退行などの防衛機制は必ずしも援助の対象とする必要はない |
(2) |
患者に死の受容を促すことを心がける |
(3) |
非言語的なコミュニケーションは重視しない |
(4) |
医療者側のこころの状態にも注意を払う |
(5) |
患者のこれまでの人生についても理解する |
a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) |
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問題6 |
終末期のがん患者の怒りについて正しいものはどれか |
(1) |
合理的な怒りは,表出を促さないほうがよい |
(2) |
医療チームでのカンファレンスは有用でない |
(3) |
怒りの背景には,抑うつがあることがある |
(4) |
不合理な怒りに対して,積極的な介入が不適切であることも多い |
(5) |
怒りは,しばしば医療チームの機能を損なう |
a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(1),(4),(5) d(2),(3),(4) e(3),(4),(5) |
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問題7 |
終末期のがん患者の実存的苦痛についてたずねる質問として最も有益ではない質問はどれか |
(1) |
あなたの心の拠りどころは何ですか |
(2) |
あなたにとって,本当に大切な人はどなたですか |
(3) |
これまでの人生の中で,誇りとなることは何でしょうか |
(4) |
ご自分自身に価値がなく感じるようなことはありますか |
(5) |
これまでになく気分が落ち込むようなことはありますか |
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〔症例問題〕
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〔症例1〕 A子さんは,55歳の女性で,X年12月に嘔気があり,精査したところ胃がんIV期であることが判明した.B病院に入院して,化学療法を施行したが腫瘍縮小効果はなく,一方,新たに第1,第2腰椎に骨転移がみつかった.この1ヵ月ほど,A子さんは「家族に迷惑をかけて申し訳ない」「いっそのこと,早く死んでしまいたい」などと看護師にもらすようになったため,看護師があなたに相談しにきた. |
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問題1 |
あなたがまず最初に行うべきことはどれか,次のうち1つ選べ |
(1) |
A子さんに,気持ちについて率直に尋ねる |
(2) |
家族と面接をする |
(3) |
身体症状の程度を再評価する |
(4) |
チームでカンファレンスを行う |
(5) |
認知障害をスクリーニングする |
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〔症例2〕 B子さんは65歳の女性で,X年8月に血便があり,精査したところ直腸がんIII期であることが判明し,低位前方切除術を施行した.X+1年2月,右卵巣転移,左肺転移が出現し,卵巣摘出術を受けるとともに化学療法を施行した.その後,数ヵ月して,今度は腹痛などが出現し,同年8月,大腸閉塞で緊急入院したところ,局所再発,肝転移および腹膜播種を認めた.ECOG(EasternCooperativeOncologyGroup)PS(performancestatus)は3程度,腹痛と倦怠感があり,予後は3ヵ月と見込んでいる.あなたは患者と面接を行い,患者に今回の腹痛ががんの再発によって生じているものであり,根治を図ることは困難であることを伝えた.患者は,しばらく流涙した後,「私は死ぬんでしょうか」とあなたに尋ねた. |
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問題2 |
あなたはどのように答えるべきであろうか,次のうち1つ選べ |
(1) |
すぐに死んでしまうということはありませんよ |
(2) |
今どのようなお気持ちなのか,教えていただけますか |
(3) |
では,残された時間の長さについて,もう少し話し合いましょうか |
(4) |
それについては,また改めて話し合いの場を持ちましょう |
(5) |
何か叶えて差し上げられる希望はありますか |
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