■Module13■ 嚥下障害
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〔一般問題〕
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問題1 |
嚥下機能低下を疑う症状はどれか |
(1) |
食物の嗜好の変化 |
(2) |
食欲不振 |
(3) |
食後になるとがらがら声になることがある |
(4) |
食事中,口からこぼすことが増えた |
(5) |
肺炎の繰り返し |
a(1),(2) b(2),(4),(5) c(3),(4),(5) d(1)~(5)のすべて |
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問題2 |
嚥下機能について正しいものを選べ |
(1) |
口腔および咽喉頭粘膜の知覚は高齢者でも保たれている |
(2) |
加齢に伴って安静時の喉頭の位置は低くなる |
(3) |
気道防御反射に重要な喉頭蓋,披裂部の知覚は三叉神経支配である |
(4) |
喉頭挙上運動は主に頤舌骨筋・甲状舌骨筋などの収縮により,神経支配の起始核は舌下神経核にある |
(5) |
食道入口部は通常は陽圧を維持し,嚥下時に平圧あるいは陰圧化する |
a(1),(2) b(2),(4),(5) c(3),(4),(5) d(1)~(5)のすべて |
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問題3 |
喉頭ファイバー検査にて評価困難な所見を選べ |
(1) |
鼻咽腔閉鎖不全 |
(2) |
舌運動障害 |
(3) |
咽頭収縮 |
(4) |
梨状陥凹の唾液貯留 |
(5) |
喉頭の知覚鈍麻(反射低下) |
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問題4 |
造影検査について正しいものはどれか |
(1) |
誤嚥を疑ったのでバリウムを避けてガストログラフィンを使用した |
(2) |
1回嚥下量は15mlから開始する |
(3) |
舌根部の運動は側面透視画像がわかりやすい |
(4) |
クッキーやゼリーなどに造影剤をまぶして使用すると,固形物の嚥下状態を見ることができる |
(5) |
正面透視画像では反回神経麻痺の有無はわからない |
a(1),(2) b(1),(5) c(2),(3) d(3),(4) e(4),(5) |
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問題5 |
嚥下機能を改善させうるものを選べ |
(1) |
義歯装着 |
(2) |
ハロペリドール |
(3) |
経鼻胃管留置 |
(4) |
気管切開 |
(5) |
ACE(angiotensinconvertingenzyme)阻害剤 |
a(1),(2) b(1),(5) c(2),(3) d(3),(4) e(4),(5) |
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問題6 |
嚥下障害患者の食事について誤っているものを選べ |
(1) |
誤嚥性肺炎のため絶飲食としていたが,回復した患者に試飲させたところ,むせることがなかったため食事を開始した |
(2) |
気管切開チューブ留置中でも経口摂取は開始できる |
(3) |
経口摂取していなくても誤嚥性肺炎をきたすことがある |
(4) |
誤嚥がみられる患者でも食品を工夫すれば経口摂取可能なことがある |
(5) |
嚥下機能の低下している患者にはきざみ食が安全である |
a(1),(2) b(1),(5) c(2),(3) d(3),(4) e(4),(5) |
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問題7 |
嚥下訓練について誤っているものはどれか |
(1) |
息こらえ嚥下法は挙上期型誤嚥に対して有効である |
(2) |
右反回神経麻痺による誤嚥に対して,顎を突き出す姿勢を指導した |
(3) |
リクライニング位での摂食時は枕を使用しない方がよい |
(4) |
喉頭挙上術(舌骨下顎骨固定術)を施行した患者では,顎を突き出した姿勢のほうが嚥下しやすい |
(5) |
嚥下反射の低下した患者に対して前口蓋弓のアイスマッサージは有効である |
a(1),(2) b(1),(5) c(2),(3) d(3),(4) e(4),(5) |
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問題8 |
正しいものはどれか |
(1) |
声帯粘膜下異物注入術は一側性喉頭(声帯)麻痺に対して音声改善のみならず,嚥下機能も改善させる |
(2) |
発声可能な気管切開チューブがある |
(3) |
気管切開チューブのカフを入れておけば誤嚥を防止できる |
(4) |
気管切開のカフ圧は40mmHg前後がのぞましい |
(5) |
嚥下機能が低下した患者に対して,口腔ケアを徹底することで誤嚥性肺炎のリスクを下げることができる |
a(2),(3) b(1),(2),(5) c(3),(4),(5) d(1)~(5)のすべて |
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〔症例問題〕
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〔症例1〕 74歳,男性.10年前に下咽頭がんで放射線治療を受けた既往がある.6ヵ月前に胸部食道がんにて手術(非開胸食道抜去・開腹胃管挙上),2ヵ月前に肝転移を指摘された.積極的な抗がん治療を希望せず,症状緩和を中心とした治療が行われている.食道がん術前の上部消化管造影検査にて少量の誤嚥を指摘されていたが,むせなどはなく,これまで常食の経口摂取は可能であった.2週間前より発熱と咳が続くようになり,胸部レントゲンにて右下葉に浸潤影を認めたため,肺炎の診断にて入院となった.意識障害や痴呆症状はなく,神経学的所見は正常であった.誤嚥性肺炎も疑って絶飲食となっている. |
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問題1 |
誤嚥性肺炎の原因として考えられるものは次のうちどれか |
(1) |
加齢 |
(2) |
縦隔リンパ節転移 |
(3) |
脳出血の合併 |
(4) |
神経筋疾患の合併 |
(5) |
食道がんの放射線治療による嚥下機能の低下 |
a(2),(3) b(1),(2),(5) c(3),(4),(5) d(1)~(5)のすべて |
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〔症例1〕(つづき) 肺理学療法,抗生剤治療が奏効し,肺炎は軽快した.嚥下造影検査の結果,明らかな誤嚥は認めなかったが,梨状陥凹および喉頭蓋谷の造影剤残留を認めた.喉頭内視鏡検査にて咳反射の減弱を認め,左反回神経麻痺を認めたため胸部CTをとると縦隔リンパ節腫大を認めた.経口摂取を強く望んでいる. |
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問題2 |
まず行うべき対応はどれか |
(1) |
3分粥から食事を再開する |
(2) |
皮下埋め込み式CVポートの留置 |
(3) |
口腔ケアの指導 |
(4) |
放射線治療の線量と照射野の確認 |
(5) |
代償的嚥下法の指導 |
a(1),(2),(3) b(1),(2),(5) c(3),(4),(5) d(1)~(5)のすべて |