■Module12■ 高カルシウム血症
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〔一般問題〕
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問題1 |
次の選択肢のうち正しいものを2つ選べ |
(1) |
高カルシウム血症は進行がんの患者において比較的頻度の高い病態であり,およそ3%の 患者が罹患する |
(2) |
高カルシウム血症になりやすいがん種としては乳がん,多発性骨髄腫,肺がん,腎がん,頭頸部がんが挙げられる |
(3) |
高カルシウム血症を発症した患者の平均予後は,適切に治療された場合は約90日である |
(4) |
一般的に,がん患者の高カルシウム血症の原因として最も頻度が高いのは悪性腫瘍に随伴するものと原発性副甲状腺機能亢進症であり,両方で約90%を占める |
(5) |
体内のカルシウムのうち約70%は骨に存在し,血液中に存在するのは30%である |
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問題2 |
次のうち正しい組み合わせはどれか |
(1) |
悪性腫瘍に随伴する高カルシウム血症は,骨転移のない症例で起こることはない |
(2) |
悪性腫瘍に随伴する高カルシウム血症の患者では,すべての患者でPTHrP(副甲状腺ホルモン関連ペプチド)が上昇している |
(3) |
血液中に存在するカルシウムの約50%はグロブリン,アルブミンなどに結合し,freeカルシウムは約50%である |
(4) |
正常の血清カルシウム値は8~10mg/dlである |
(5) |
補正カルシウム値の求め方は測定カルシウム値+(測定アルブミン値-3.0)である |
a(1),(2) b(1),(5) c(2),(3) d(3),(4) e(4),(5) |
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問題3 |
次の選択肢のうち誤っているものを1つ選べ |
(1) |
高カルシウム血症の症状として多尿や脱水がある |
(2) |
血清カルシウム値が14mg/dlを超えると生命の危険性がある |
(3) |
嘔気や意識障害がみられる患者を診察した際には,ただちに血清生化学検査を行うことが原則である |
(4) |
高カルシウム血症が,不整脈の発症をきっかけに発見されることもめずらしくない |
(5) |
高カルシウム血症の診断および予後の推定には,PTHrPの測定が重要な役割を果たす |
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問題4 |
悪性腫瘍に随伴する高カルシウム血症の治療について誤っているものを1つ選べ |
(1) |
生理食塩水による大量補液とフロセミドの投与は有効であるが,心不全と低カリウム血症に注意が必要である |
(2) |
カルシトニンは高カルシウム血症の治療に有効であるが,その効果はおよそ2日間であり,反復投与により効果は得られなくなっていく |
(3) |
ビスフォスフォネートの投与は高カルシウム血症の治療に有効であり,最大効果は約3日後にみられる |
(4) |
グルココルチコイドの投与は,固形がんに伴う高カルシウム血症の治療に有効である |
(5) |
ゾレドロン酸はパミドロン酸二ナトリウムに比べ有効率が高く,かつ効果持続期間が長い |
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〔症例問題〕
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〔症例1〕 68歳,男性.右腎細胞がんstageIVと1年前に診断され,診断時から多発骨転移が認められていた.右腎全摘術が施行され,その後,IFN(インターフェロン),IL-2(インターロイキン-2)療法が行われるも改善を認めなかった.3ヵ月前から腰部,右肩,胸部の疼痛を認め,NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)と徐放性モルヒネ製剤40mg/日が投与されていた.1ヵ月前の腹部CTでは原発巣のコントロールは良好で,大動脈と腎動脈周囲のリンパ節の腫大が認められるのみであり,MRI上脳転移は認められなかった.2週間前から徐々に食欲不振,せん妄が現れ,傾眠傾向が出現している.内服薬は,ここ2ヵ月ほど変更はみられず,酸化マグネシウム3g/日,NSAIDsと徐放性モルヒネ製剤40mg/日であった.PS(performancestatus)は4,疼痛コントロールはおおむね良好である. |
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問題1 |
この患者にまず行うべき治療および検査はどれか,誤っているものを2つ選べ |
(1) |
頭部CTの評価 |
(2) |
モルヒネ製剤の減量 |
(3) |
感染症の検索 |
(4) |
血液生化学検査 |
(5) |
中心静脈栄養 |
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〔症例2〕 88歳,男性.肺小細胞がんstageIVの患者.多発骨転移がみられている.2週間前からの傾眠,食欲不振,ADLの低下を主訴に救急外来を受診.受診時の意識状態はJCS(JapanComaScale)?-2,簡単な会話は可能であるが,複雑な会話は行えない.見当識はかろうじて保たれている.血液検査上,補正カルシウム値は13.8mg/dlであった.クレアチニン1.5mg/dl,BUN41.58mg/dl.その他,ALPが軽度上昇している以外,異常を認めなかった. |
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問題2 |
この患者の初期治療として誤っている組み合わせを選べ |
(1) |
生理食塩水3l/日の投与 |
(2) |
フロセミドの投与 |
(3) |
パミドロン酸二ナトリウム90mg+生食500mlを15分で投与 |
(4) |
プレドニゾロン60mg/dayの投与 |
(5) |
カルシトニン160単位筋注,12時間ごとの投与 |
a(1),(2) b(1),(5) c(2),(3) d(3),(4) e(4),(5) |