はじめに 看護師の教育としては、1996年にがん看護専門看護師、1999年にはホスピスケア認定看護師、がん性疼痛認定看護師などの認定制度が整備され、とくに認定看護師は緩和ケア診療加算における看護師の要件とされ、資格を取得する大きな流れとなっている。しかし、認定看護師となるためには、職場を離れた6ヶ月以上の集中した学習が必要であり、ホスピス・緩和ケア病棟といった現場で働く看護師たちの認定、教育については、個々の施設に任せた形であった。 今回、全国・ホスピス緩和ケア病棟連絡協議会の教育専門委員会の看護師が中心となり、3年間の検討を経て「ホスピス・緩和ケア看護教育カリキュラム」が完成した。ホスピス・緩和ケアという非常に広い分野を丁寧に網羅し、パワーポイントで学習・研修できるように工夫してある。内容については申し分ないと考えるが、実際には、誰がどのように教育していくかは今後の課題であろう。また、同カリキュラムのコアとなった「ホスピス・緩和ケア教育カリキュラム」が他職種用に準備されたように、さまざまな職種と共同した教育も望まれるところである。 ともあれ、緩和ケア病棟は2004年6月1日現在、全国で132施設(2,507床)が稼動し、緩和ケア診療加算の算定により緩和ケアチームが増加し、さらに在宅緩和ケアも拡大していく中で、それぞれの場面での看護師教育はさらに重要となってくる。今回のカリキュラムが様々な現場で利用され、広まっていくことを願っている。 2004年3月 全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会 教育研修専門委員会 |