module9.症状マネジメント:精神症状 |
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教育時期 |
教育方法 |
目 的 |
大項目 |
小項目 |
評 価 |
経験2年目:前期 |
講義 ケ−スカンファレンス 自習 |
1)不安 ・不安の診断と治療、看護を理解する。 |
(1)不安とは |
・不安とは対象のない恐れであり、自己が危険にさらされ存在がおびやかされたときに起こる情動である。 |
□不安のある患者の看護が実践できる。 |
(2)不安の診断 |
・焦燥感、身体症状(動悸、頻脈、胸部圧迫感、口渇、発汗、頻尿、振戦、肩こり、頭重感、頭痛など自律神経症状)を伴うことが多い。 |
(3)不安の治療 |
・カウンセリング・支持的精神療法 ・抗不安薬(クロキサゾラム、ジアゼパム、ブロマゼパム、オキサゾラム) ・SSRI(パロキセチン) |
・抗不安薬(クロキサゾラム・ジアゼパム・ブロマゼパム・オキサゾラム) |
(4)不安のある患者への看護 |
・不安の程度をアセスメントする ・患者の側に付添う(静かに付添う、タッチング) ・傾聴する ・共感的な態度で接する(誰でも時には不安を感じること) ・知識不足による不安に対しては説明の補足、誤解を修正する ・不安を緩和する介入を探す(音楽・アロマセラピ−・イメ−ジ療法・リラクセ−ション) ・慢性的不安や効果的でないコ−ピングを行なっている患者は専門家の介入を依頼する |
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2)抑うつ ・抑うつ診断と治療、看護を理解する。 |
(1)抑うつとは |
・がん患者がさまざまな状況に反応して悲しんだり、落ち込んだりすることは、通常の反応である。しかし、それらに加えて悲観的思考、不適切で過剰な罪責感、希死念慮、精神運動制止(思考力や判断力が低下し、動きも鈍くなる状態)などを認めた場合は「抑うつ」と判断される。 |
□抑うつのある患者の看護が実践できる。 |
(2)抑うつの診断 |
米国精神医学会『精神疾患の分類の診断手引第4版』(DMS-Ⅳ) |
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(3)抑うつの治療 |
・認知的アプロ−チ、行動療法 ・三環形抗うつ薬(アミトリプチン、イミプラミン、クロミプラミン) ・四環形抗うつ薬(アモキサピン、マプロチリン、ミアンセリン) ・SSRI(フルボキサミン、パロキセチン) ・SNRI(ミルナシプラン) ・メチルフェニデ−ト ・抗うつ薬の効果発現にはおよそ3日〜2週間を必要とする。 |
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・三環系抗うつ薬(アミトリプチン、イミプラミン、クロミプラミン) ・四環系抗うつ薬(アモキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、トラゾドン) ・SSRI、SNRI(フルボキサミン、パロキセチン) ・メチルフェニデ−ト ・抗うつ薬の効果発現にはおおよそ3日〜2週間を必要とする |
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(4)抑うつのある患者への看護 |
・傾聴する ・共感的な態度で接する ・安易な励ましは避ける ・自殺の危険性を把握する ・家族の理解とサポ−トを得る ・痛みやその他の不快な症状のコントロ−ルを図る ・大うつ病などの症状を見極め専門家に介入を依頼する |
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3)せん妄 ・せん妄の原因と診断、治療と看護を理解する。 |
(1)せん妄とは |
・軽度から中等度の意識水準の低下が見られる ・急性に発症する ・幻視、被害妄想などの異常体験が出現する ・睡眠・覚醒リズムが障害される症状は日内、多くは夜間に増強する ・身体的な原因で生じる |
□せん妄のある患者の看護が実践できる。 |
(2)せん妄の原因 |
肝不全、薬物、脳腫瘍、腎不全、高カルシウム血症、ショックなど |
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(2)せん妄の診断 |
米国精神医学会『精神疾患の分類の診断手引第4版』(DMS-Ⅳ) |
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(3)せん妄の治療 |
・原因の診断と除去 ・向精神薬による治療:ハロペリド−ル、クロルプロマジン、リスペリドン ・終末期後期で治療が困難な場合はセデ−ションを考慮する |
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(4)せん妄のある患者への看護 |
・原因や誘因をアセスメントする ・患者の人格を尊重し、患者を中心としたコミュニケ−ションを図る ・環境を整え、患者の安全性を高める ・家族の理解とサポ−トを得る |
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4)不眠 ・不眠の原因と治療、看護を理解する。 |
1)不眠とは |
・実際の睡眠時間の長短に関わらず、翌朝覚醒時に睡眠に対する不足感が強く、患者自身が身体的、精神的、社会的生活上の支障があると判断している状態 |
□不眠のある患者の看護を実践できる。 |
2)がん患者の不眠の原因 |
・身体的な原因:痛み、低酸素症、頻尿、尿閉、発熱、掻痒、吐気など ・精神的な原因:抑うつ状態、躁状態、不安、せん妄、痴呆など ・薬物による原因:中枢神経刺激薬、ステロイド、化学療法、抗代謝薬、降圧剤、利尿剤、抗不安薬などの退薬 ・環境的な要因:環境の変化、騒音、医療処置など |
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3)不眠の治療 |
・原因への対応 ・睡眠薬の使用 ベンゾジアゼピン系睡眠薬(超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型) ・睡眠薬の副作用(健忘、翌日への持ち越しによる過鎮静、反跳性不眠、退薬症状、臨床用量依存、筋弛緩作用、呼吸抑制) |
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4)不眠のある患者の看護 |
・痛みや呼吸困難など身体的な苦痛の軽減 ・不安や抑うつへの対応 ・環境の調整 ・睡眠前のケア(口腔ケアや洗面の援助、排泄の援助、マッサ−ジや足浴など睡眠を促す援助、体位の調整など) ・患者の日常生活習慣の尊重 ・日中の過ごし方、活動についての見直し |
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