module9.症状マネジメント:皮膚の問題 | |||||
教育時期 | 教育方法 | 目 的 | 大項目 | 小項目 | 評 価 |
経験1年目:後期 | 講義 ケ−スカンファレンス 自習 |
1)褥瘡予防とケア ・褥瘡予防とケアを理解する。 |
(1)終末期がん患者の褥瘡の特徴 | ・悪液質による代謝異常 ・低栄養や浮腫により組織耐久性が低下する ・疼痛、呼吸困難により患者が好む体位を持続的にとる *褥瘡発生のリスクは高く、発生しやすいばかりか悪化しやすい |
□個々の患者の状態に応じた褥瘡の予防策とケアを実施できる。 |
(2)褥瘡予防に対するケア | ・褥瘡予防のケア:褥瘡発生頻度のアセスメント(施設での褥瘡対策チ−ムの方法に準じて行なう) 、除圧・減圧のケア(体圧分散用具の使用)、皮膚のケア、骨突出部のケア、皮膚が乾燥したときのケア、失禁管理 |
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(3)褥瘡に対するケア | ・できてしまった褥瘡に対するケア:ペインコントロ−ル、褥瘡のステ−ジをアセスメント(施設での褥瘡対策チ−ムの方法に準じて行なう)、ステ−ジによるケアを選択と実施 | ||||
2)瘻孔のケア ・瘻孔のケアを理解する。 |
(1)終末期がん患者の瘻孔 | ・腫瘍の自壊、感染、腸管の穿孔などから形成されるため、炎症を伴うものが多く、排泄されるものは膿・便・尿・唾液・腸液と様々でスキントラブルや疼痛・悪臭などの問題を引き起こす。 | □瘻孔のケアを実践できる。 | ||
(2)瘻孔に対するケア | ①スキンケア ・瘻孔周囲の皮膚を清浄にする ・瘻孔周囲の皮膚を皮膚保護材で保護する ②排液コントロール ・ガーゼドレッシング法 ・パウチング法 ・クローズドサクションドレナージ法 |
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3)皮膚転移のケア ・皮膚転移に対するケアを理解できる。 |
(1)皮膚転移 | ・悪性細胞が増大すると皮膚に浸潤・転移し、やがて潰瘍化する。自壊した腫瘍は悪臭を発するようになり、様々な問題を引き起こす。自壊が進行し大血管を破壊すると致命的な状態を引き起こす。 | □皮膚転移に対するケア を実践できる。 |
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(2)皮膚転移に対するケア | ・疼痛 ・ボディイメ−ジの変容 ・抑うつ ・社会における活動の低下 ・自壊に伴う悪臭 ・出血 |
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4)リンパ浮腫 ・リンパ浮腫に対するケアを理解する。 |
(1)浮腫とは | ・悪性腫瘍によるリンパ郭清、摘出を含む外科的根治術、放射線療法後の組織線維症、 リンパ節転移、皮膚転移などにより、リンパ系循環の流れが、圧迫、狭窄、閉鎖されることにより、組織間隙に組織液が異常に滞った状態。 ・また、終末期がん患者の場合には循環不全、低たんぱく血症などによる浮腫とリンパ浮腫が混在していることが多く、両方への対応が必要となる。 |
□リンパ浮腫に対するケアを実践できる。 | ||
(2)リンパ浮腫に対するケア | ・マニュアルリンパドレナ−ジ ・コンプレッションセラピ−とその禁忌 ・間欠的空気式圧迫法とその禁忌 ・皮膚のケア:日常生活での注意点、リンパ漏がある場合 ・運動:うっ滞改善、筋肉の拘縮予防のため(自動、他動運動、体位変換など) |