module11.日常生活を整えるための看護 | |||||
教育時期 | 教育方法 | 目 的 | 大項目 | 小項目 | 評 価 |
経験1年目:前期 | 講義 ケースカンファレンス 自習 |
1)食事 ・終末期患者の食へのニ−ドと身体的な状態に応じた食事摂取の方法について理解する。 |
1)経口摂取の減少の原因 | ・病状に関連した原因:口腔や咽頭のあれ、嚥下困難、胃内容物の停滞、吐気・嘔吐、便秘、消化管閉塞、痛み、悪液質、生化学的異常(高カルシウム血症など)、臓器不全(腎不全など)、感染症(肺炎など) ・治療に関連した原因:薬剤、放射線治療、がん化学療法 ・その他の原因:不安・抑うつ、食べ物の臭い、歯の不具合、環境の不備 |
□患者の状態に応じた食事への援助ができる。 |
2)食事摂取への援助 | ・終末期患者にとっての食事に対するニ−ドを理解する ・身体的な状態に応じた食事の形態を考慮する(嚥下障害、味覚異常、消化管閉塞の場合など) ・食べやすい体位を調整する ・環境の整備 ・口腔ケア ・栄養士、理学療法士、作業療法士などとの協働 ・食べられないことに対する心理面でのケア ・家族へのケア |
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2)排泄 ・終末期患者の排泄における問題と対応について理解する。 |
1)終末期がん患者の排泄の問題 | ・排尿障害:排尿回数の異常、排尿困難、尿閉、尿失禁、膀胱不快、残尿感など ・排便障害:便秘、下痢、便失禁 ・ADLの低下 ・痛み、倦怠感、呼吸困難などの症状によって排尿行動がとれないこと |
□患者の状態に応じた排泄への援助ができる。 | ||
2)排泄への援助 | ・排尿援助:排尿時の労作の軽減・介助方法の検討、尿器の工夫、排尿カテ−テルの検討 ・排便援助:便秘と下痢にに対する援助、排便時の労作の軽減・介助方法の検討、便器の工夫 ・環境の調整:場所(プライバシ−が保てる、羞恥心に対する配慮)、尿器・便器の選択 ・排泄行動の変化に対する心理面でのケア |
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3)睡眠 ・終末期患者の睡眠を妨げる問題と対応について理解する。 |
1)終末期がん患者の睡眠障害の原因 | ・身体的な原因:痛み、呼吸困難、全身倦怠感などの症状による要因 ・精神的な要因:不安など ・環境的な要因:慣れない環境、ベッドなど寝具の不具合 ・薬剤性:ステロイドの使用など |
□患者の睡眠を促すための援助ができる。 | ||
2)睡眠を促すための援助 | ・身体的な苦痛の軽減:苦痛症状、不快感の軽減や体位の調整など ・心理的なケア:不安、心配事などへの対応、リラクセ−ション、家族の付添などによる安心感 ・寝具の調整 ・室内の環境:気温、湿度、換気、照明など患者に適した環境を整える ・日中の過ごし方の見直し |
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4)体位変換・移動 ・終末期患者の体位変換・移動の方法について理解する。 |
1)体位変換の方法 | ・体位変換の妨げになる原因を取り除く:疼痛などの苦痛症状の軽減 ・ベッド、安楽物品(枕・クッション・体圧分散器具)の工夫 ・理学療法士との協働によるポジショニング(患者に適した良肢位の検討) |
□安楽な体位変換・移動の介助を行なうことができる。 | ||
2)移動のための援助 | ・移動のための補助器具の検討 ・理学療法士との協働(移動による患者の負担を軽減する) |
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5)環境調整 ・終末期患者にとっての環境調整を理解する。 |
1)終末期患者の環境調整 | ・患者が自分らしく過ごせる生活環境を整える ・自然や外気・季節感を味わう工夫 ・気分転換のできる環境の提供 ・患者にとっての大切な人と過ごせる環境の提供 ・患者にとって安心感や信頼感を提供できるような医療チ−ムの育成 |
□患者に心地よい環境を提供できる。 |