(公財)ホスピス財団 メールマガジン「今月のお便り」 vol.29
今月のコラム
 
福地 智巴氏

東芝病院 緩和ケア科
茅根 義和
  Ellershaw 先生講演会に参加して
 前日まで半袖でも暑いと感じる陽気の東京から真冬を思わせる寒さの札幌に降り立った10月7日、日本ホスピス緩和ケア研究振興財団15周年記念のEllershaw先生の講演会にシンポジストとして参加しました。
 Ellershaw先生は、「Liverpool Care Pathway(LCP)の生みの親」です。2003年にLCPを知り、それを日本語に訳してさらに普及活動をしてきた私にとってのEllershaw先生は、自分が取り組んできた大きなテーマにおける第一人者であり、まさに雲のはるか上におられるような大きな存在でした。実際にお会いしたEllershaw先生はとても背の高い英国紳士でした。しかし、講演に先立って実際にお会いしたEllershaw先生の印象は私の想像していた以上に気さくにお話くださる方でもありました。
 Ellershaw先生は「死にゆく患者のケアをいかに改善するか」と題して、看取りのケアを向上させるために先生がこれまで取り組んでこられた事柄を、LCPについて、そしてLCPが使用中止となった後の取り組みを中心にお話しされました。看取りの医療について「実践」「研究」「普及」が有機的につながることの重要性をお話しされたことが印象的でした。
 翌8日から同じ会場で行われた日本死の臨床研究会年次大会では、柳田邦男先生がその講演の中で死の臨床における先駆者の特質として「患者主体の発想」「時代のニーズへの感性」「専門性の裏付け」「情熱の継続」があると述べられていました。死にゆく患者へのケアを向上させるために10年以上も前にLCPを開発し、英国内だけでなく世界に向けて普及をされ、一部の不適切な使用によりLCPの使用が中止されたのちも新たな取り組みを立ち上げ、それを今も推進されているEllershaw先生の姿はまさに柳田先生が述べられた先駆者の特質を体現していると感じました。
 思えば10年以上も前、たまたま看取りのパスであるLCPを知り、それを日本語に訳して紹介する試みに着手した時にその活動を支援してくださったのは日本ホスピス緩和ケア研究振興財団でした。そして今回このような機会を日本ホスピス緩和ケア研究振興財団からいただけたことを深く感謝しています。
 
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ホスピス・緩和ケアフォーラム2016 in 各務原が開催されました
 
 今回で29回目となる、ホスピス・緩和ケアフォーラムが、10月1日(土)岐阜県各務原市の各務原市文化ホールで開催されました。特別講演では、東海中央病院 名誉院長の渡邊 正先生より「地域でつなぐ緩和ケア」と題して、また、パネルディスカッションでは「地域でがん患者を支えるために」と題して4名のパネリストから発表があり、地域でがん患者とどのように取り組むかなど、示唆に富む内容であり、2025年問題を見据えた時機にかなったフォーラムとなりました。

参加者:151名
 
ホスピス・緩和ケアフォーラム2016 in 各務原の様子-1   ホスピス・緩和ケアフォーラム2016 in 各務原の様子-2
 
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Ellershaw 教授講演会&シンポジウムが開催されました
 
 10月8日(金)札幌コンベンションセンターにて、リバプール大学緩和医療学教授 John Ellershaw 氏による講演「死にゆく患者のケアをいかに改善させるか」がなされました。講演の中で氏が開発された「Liverpool Care Pathway」の有用性について語られ日本で活用されることを期待されました。続くシンポジウムでは、シンポジストの茅根義和氏、杉田智子氏より、現場でのLCP活用例が紹介されました。また、田村里子氏からは、ソーシャルワーカーの立場から、終末期患者のケアに関する発表がなされました。今回の講演会は、第40回日本死の臨床研究会年次大会とのタイアップで開催されたものであり、Ellashaw 教授は、同大会でも2回の講演をされました。

参加者:82名
 
Ellershaw 教授講演会&シンポジウムの様子-1   Ellershaw 教授講演会&シンポジウムの様子-2
 
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Hutchinson 教授による『『新たな全人的ケア』 出版記念講演会
 
Hutchinson 教授による『新たな全人的ケア』出版記念講演会のご案内のチラシ    『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』の出版を記念してカナダのマギル大学のWhole Person Care プログラム責任者である Tom A Hutchinson 教授を招き Whole Person Care への理解を深めるための講演会を開催いたします。

【大阪会場】
 2016年11月26日(土)13時から17時
 千里ライフサイエンスセンター

【東京会場】
 2016年11月27日(日)13時から17時
 大手町ファーストスクエアカンファレンス

・逐次通訳あり
・参加費 無料
・定員 200名
 
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『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』 好評発売中
 
新たな全人的ケアの表紙  
 「Whole Person Care:A New Paradigm for 21Century」(Springer 社 2011年)の日本語訳として『新たな全人的ケア:医療と教育のパラダイムシフト』を青海社より全国で発売中です。
 Whole Person Careとはカナダ、マギル大学医学部で開発された、新しいケアの概念であり、従来の考え方を根本的に変えるアプローチです。
 是非、ご一読ください。
 
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ホスピス財団の新しいパンフレットが出来ました
 
ホスピス財団の新しいパンフレットの表紙  
 設立15周年を機に、ホスピス財団の新しいパンフレットを制作いたしました。希望されるかたは、 ホスピス財団までご連絡ください。
 ホームページでも閲覧いただけます。
 
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J-HOPE3が刊行されました
 
ホスピス財団ニュース30号の表紙  
 世界的にも高く評価されている「遺族によるホスピス・緩和ケアの質の評価に関する研究3」 (J-HOPE3)が刊行されました。
 
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ホスピス・緩和ケア白書2016が発売中です
 
ホスピス緩和ケア白書2016の表紙  
 緩和ケアにおける緩和デイケア・がん患者サロン・デイホスピス」を特集テーマにホスピス緩和ケア白書2016が完成いたしました。
 
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『旅立ちのとき・・寄りそうあなたへのガイドブック・・』が発行されました
 
旅立ちのときの表紙  
 旧『旅立ち』が絶版となり、多方面から再販の要望が多く寄せられていましたが、『旅立ちのとき・・寄りそうあなたへのガイドブック』が出版されています。
 本冊子が、旧版同様、多くの人に読まれ、死という現実に目をそむけず、死を受け入れる一助になり、人生の最後に寄りそう方々に用いられることを願っております。
 ホームページでも閲覧可能ですが、ご希望の方には1冊200円(送料込)で送付いたします。
 
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個人賛助会費と一般寄附が、オンライン(クレジット決済)でも支払いが出来ます
 
決済サービスのwebページの一部    ホスピス財団では、CANPAN決済システムを導入し、ご自宅のパソコンを使用して賛助会費(個人)と一般寄附の支払いが可能です。郵便局や銀行へ出向く必要がなく手軽に利用できますので、是非、ご活用ください。詳細はホームページを参照して下さい。
 
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情報コーナー
ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介
 
・AYA世代のがん患者の感想や悩みを取り上げた記事に関する、読者からの投稿を紹介した記事
(毎日新聞 2016/10/16 掲載)

・順天堂医院院長の天野 篤氏のシリーズコラム
院長という重責と、執刀医という現場をかけもちでこなす多忙な日々を省みて書かれたコラム
(毎日新聞 2016/10/16 掲載)

・妻に先立たれた人の悲しみを癒すサロン「気ままサロン」の紹介を始め、専門家によるアドバイスを紹介した記事
(朝日新聞 2016/10/3 掲載)

・がん治療で、外見変化がおきて悩んでいる患者を支援するために、国立がん研究センター内に「アピアランス支援センター」が設置され、具体的な活動が始まっていることを紹介した記事
(毎日新聞 2016/9/28 掲載)

・国立がん研究センター、がん早期発見の割合を部位別にまとめた表と、診断時にわかる進行度が部位によってことなることを紹介した記事
(読売新聞 2016/9/27 掲載)

・日本死の臨床研究会の第40会全国大会が開催されるのを機に、研究会のこれまでの歩みとこれからの課題を、柳田邦男氏がコラムとして紹介した記事
(毎日新聞 2016/9/24 掲載)

・がんとは何か。なぜ、がんになったのか、これらの問題を体全体で理解することで患者の生きる意欲を引き出す取り組みを始めている訪問看護ステーションを紹介した記事
(読売新聞 2016/9/18 掲載)

・「マザー・テレサが愛した街で」と題して、インドのコルカタにある「死を待つ人々の家」にスポットをあて、献身的に世話をする人々の姿を紹介した特集記事
(毎日新聞 2016/9/3~6 連載)

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