今月のコラム |
映画監督 溝渕 雅幸 |
『いのちの継承を考える』 私が監督した映画「いのちがいちばん輝く日~あるホスピス病棟の40日~」が劇場公開されてから3年の歳月が経ちました。 以降も細々と「ホスピス」や「いのちの在り方」についての取材を続けているのですが、最近特に考えることは「いのちの継承」ということです。 私は「いのちの継承」とは、死にゆく人の思いや志を受け継ぐモノであると考えてきました。映画でもそのことをテーマの一つとして描いたつもりです。しかし映画制作以降も「いのち」や「生死」をテーマとした取材を続ける中で新たな視点が生まれました。それは、「何故いのちの継承が必要か?」という事です。 明確な答えは未だ見出せていませんが、おぼろげに考えることは「いのち」とは、人間はもとより動植物、山川草木まで、この世の全てのものが持っているということ。そして、それら全ての存在、それ自体が「いのち」であるという事です。 「いのち」をこのように考えると、「いのちの継承」とは人間の価値ある生き方を受け継ぐだけではなく、この世にある「あらゆるいのち」の価値ある在り方を受け継ぎ、次の世代に引き継ぐ事ではないか?とも考えるのです。 人の人生を考える時、その時間を一つの間として捉えると、生まれてから死を迎えるまでの間という見方と、今を生きる人生が過去と未来との間であるという見方も出来ます。あたかも大河のような「いのち」流れ中で生きる私たちは、過去から「いのち」を受け継ぎ、そして「いのち」を未来へ引き継ぐとても大切な役割を与えられた存在ではないか?とも思えるのです。 このような考えや気づきを与えてくれたのがホスピスの現場でした。 昨年の11月もあるテレビ番組の取材で淀川キリスト教病院のホスピスを訪れましたが、その病室で患者と家族、献身的に寄り添うホスピススタッフの姿を目にしたとき、まさにこの空間に「いのち」が存在し、「空間そのものが生きている」ことに改めて気づかされました。 今50代の半ばにさしかかり三人称や二人称の死だけではなく、自分自身の死を強く意識するようになりましたが、その死が決して無意味なものではなく、「死によって受け継がれるいのちがある。」ということを知る事によって、充実した生を全うすることに繋がると考えています。 |
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映画「いのちがいちばん輝く日」のご紹介 | ||||
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『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』 好評発売中 |
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ホスピス財団15周年記念講演会 | |||||||
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ホスピス・緩和ケアボランティア研修会 | ||||
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ホスピス財団ニュース 30号(2016年4月)が発行されました | ||||||
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J-HOPE3が刊行されました | ||||||
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ホスピス・緩和ケア白書2016が発売中です | ||||||
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ホスピス財団の2016年度事業の紹介(4回シリーズ) その3 | |||||||||||||||||
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Ellershaw 教授による講演会&シンポジウムのご案内 | |||||||
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第9回 Whole Person Careワークショップのご案内 | |||||||
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『旅立ちのとき・・寄りそうあなたへのガイドブック・・』が発行されました。 | |||||||
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個人賛助会費と一般寄附が、オンライン(クレジット決済)でも支払いが出来るようになりました | ||||
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ホスピス財団の新パンフレットをお分けしております |
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情報コーナー |
第21回日本緩和医療学会学術大会 | ||||||
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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
・横須賀市で在宅医として地域に貢献している医師の活動状況を紹介した記事
(読売新聞 2016/5/27 夕刊掲載) |
・働きながら、がん治療ができることへの支援を行う企業が増えていることを紹介した記事
(読売新聞 2016/5/20 掲載) |
・毎日新聞が特集記事として連載した「がん社会はどこへ」を担当した記者が、総括として「医師とのよりよい関係」大切であることなど、これからのがん社会への提言が紹介された記事 (毎日新聞 2016/5/18 掲載) |
・僧侶が緩和ケア病棟で、ビハーラ僧として勤務している病院、またその取り組み内容を紹介した記事
(毎日新聞 2016/5/16 掲載) |
・自らががんに罹った医師が、患者と医療者のズレを実感し、患者の立場を理解することの難しさを知った上で患者と対話することの大切さを訴えた記事
(毎日新聞 2016/5/15 掲載) |
・胃がんを乗り越えて、大阪北新地でバーテンを続ける87歳の男性を紹介した記事
(毎日新聞 2016/5/5 掲載) |
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