(公財)ホスピス財団 メールマガジン「ホスピス財団便り」 vol.18
   
今月のコラム

恒藤 暁 氏
日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団 事業委員長
恒藤 暁
  気づきと行動変容

意識が変われば
行動が変わり
習慣が変わり
人格が変わり
最終的に運命が変わる

 昨年4月下旬から5カ月間、カナダのモントリオールに滞在し、マギル大学で医学教育を見学する機会を得ました。この大学は、医学教育の基礎を築いたオスラー先生が教鞭をとり、緩和ケアの発祥の地でもあります。ここでWhole Person Careプログラムが誕生しました。
 このプログラムの責任者であるハッチンソン先生のもとで、私は20名の医学生から成る小グループの体験学習のオブザーバーとして参加しました。この授業では、学生は携帯電話やパソコン、筆記用具を一切使用せず、ただ自身の身体のみを使って参加します。教師はファシリテーターに徹し、学生に演習や2〜3人でのグループワークを提供します。知識の提供は最小限に留め、学生が自ら気づきを得るよう努めています。日本の教育では知識提供が中心ですが、気づきに重点を置くことの重要性が見過ごされがちです。AI時代において、医療現場での適切な行動や態度がますます重要になっています。
 ニードルマン先生は著書『The Way of the Physician: Recovering the Heart of Medicine(医師の道:医療の心を取り戻す)』で、「私たちは一体何を求めていたのだろうか。それは探求者自身の変容である。この変容からしか、存在すること、愛すること、創造すること、選択すること、苦しんでいる隣人を助ける力を見出すことはできない」と述べています。気づきが与えられれば、行動が変わり、継続することで習慣が形成され、人格そして運命が変わることになるでしょう。
 今年の7月12日から13日には、マギル大学医学部のスティバーマン先生を招き、国際セミナー『マインドフルネスの力:Whole Person Care教育と慢性疼痛患者へのアプローチ』を開催します。スティバーマン先生は「マインドフルネスにある医療実践コース」の責任者です。マインドフルネスにある気づきや行動変容に興味がある方はぜひ参加してください。今後もこのテーマに関連する事業を展開していく予定です。引き続きのご支援とご参加をお願いいたします。
頁トップへ
ホスピス財団主催・協賛の研修会、セミナー、出版等のご案内
ホスピス財団第7回国際セミナーが開催されます
 
ホスピス財団第7回国際セミナーのチラシ    「マインドフルネスの力」をテーマに第7回国際セミナーが開催されます。

■日時:2025年7月12日(土)大阪会場  7月13日(日)東京会場
■講師:Allen Steverman教授(カナダ マギル大学医学部)

詳細・申込みはこちら
https://www.hospat.org/m_news_102.html
 
頁トップへ
第17回日本 Whole Person Care 研究会 読書会が開催されます
 
『Whole Person Care 理論編』の表紙   ■ 日 時:2025年3月7日(金)19:00~20:30
申し込みフォーム:https://forms.gle/xktqKx6MZUHkZTdS7

*Whole Person Care 実践編の第13章〜第15章を読み、感じたこと、考えたことを中心に分かち合う会です。
第13章 医療における物語
第14章 デジタルメディアと医療
第15章 予防と全人
*事前に該当の章を読んでご参加頂くと理解が深まります。
 読んでいなくても参加できます。
 また、傍聴のみでも構いません。お気軽にご参加ください。
*当日は、Zoomで行います。詳細は、申し込みされた方にご連絡致します。
頁トップへ
『Whole Person Care 理論編・・・医療の源流と実践』が好評発売中
 
『Whole Person Care 理論編』の表紙   ■ 著 者:恒藤 暁氏
■ 出版元:三輪書店
■ 発 売:ホスピス財団
■ 売 価:2000円(税別)

詳細はこちら → https://x.gd/yiuZy
頁トップへ
ホスピス・緩和ケア白書2024が発売中です
 
ホスピス・緩和ケア白書2024の表紙   特   集:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と緩和ケア
発 売 元:青海社
編 集 協 力:(公財)日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団
定   価:本体3000円(+税)



詳細をみる
 
頁トップへ
映画『近江ミッション』のご案内
 
映画『近江ミッション』の1シーン   ホスピス財団が後援している溝渕正幸監督の映画が上映中です。

詳細はこちら
https://www.inochi-hospice.com/
頁トップへ
情報コーナー
 
近刊紹介


『透析を止めた日』の表紙    なぜ、透析患者は「安らかな死」を迎えることができないのか? 
息をのむ医療ノンフィクション! - 今日のおすすめ|講談社。

・透析を止めた日  堀川惠子 著  2024.9刊  講談社 1980円


詳細をみる
 
『死ぬということ』の表紙    医学者が記した、初めての医学的生死論

・死ぬということ  黒木登志夫 著  2024.8刊  中公新書 1320円


詳細をみる
 
『残された時間』の表紙    死のすぐそばで働きつづけ、数えきれないほどの死を見届けてきた脳外科医
マーシュの、最後のメッセージ。

・残された時間  ヘンリー・マーシュ 著  2024.4刊  みすず書房 3300円


詳細をみる
 
頁トップへ
■このメールマガジンは、ホスピス財団の賛助会員をはじめ、ホスピス・緩和ケア医療従事者の皆様にお送りしております。また、お知り合いの方々にも転送していただけると幸いです
個人情報の取り扱いについて
■メールマガジンの受信の停止は、こちら からお願いします。
 
発行:ホスピス財団(公益財団法人 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団)
〒530-0013 大阪市北区茶屋町2-30
TEL:06-6375-7255 FAX:06-6375-7245
mail:hospat@gol.com URL:https://www.hospat.org/
Copyright(c)2014 Japan Hospice Palliative Care Foundation All Rights Reserved.