今月のコラム |
ホスピス財団 事務局長
大谷 正身
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「小さな音、大いなるいのち」 第47回死の臨床研究会に参加して 10月12日札幌で開催された第47回死の臨床研究会で講演された方波見康雄先生の講演が心に残った。98歳というご年齢にも拘らず語られた1時間の講演、それは宇宙の起源137億年、地球の起源46億年から続く“大いなるいのち”に始まり、私たちの身体の中の小さな音へとつづいた語りの折々に、 哲学、文学、音楽にも造詣の深い先生が引用される詩歌も相まって、壮大なロマンを感じさせられた講演であった。 とりわけ、先生の小さな音(声)への思いは、蟻の足音にまで及び、6本の脚には各々二つの聴覚、さらに二つの耳を加えて14の耳があり、蟻はお互いに会話を交わしているとのこと。町の開業医として、永年に亘り、患者さんの心音を聴いてこられた故での気付きではないかと思わされた。先生の医療への原点は、この小さな音、小さな声、さらには声なき声を聴くという姿勢であり、それは小さい者、弱い者、貧しいもの、病を持つものを慈しむことであることを語られたのだと思う。それは同時に、“ホスピスのこころ”そのものであると確信させられた。 補足;方波見康雄先生の著書、関連図書を紹介したい。 ・医療とは何かーー音・科学そして他者性 藤原書店 2024年1月刊 医療とは何か――音・科学そして他者性 (fujiwara-shoten-store.jp) ・ホスピスのこころを究めるーー日本のホスピス50年が築き上げたもの ─ 前野 宏編 三輪書店 2024年8月刊 三輪書店オンラインショップ / ホスピスのこころを究める─日本のホスピス50年が築き上げたもの─ (miwapubl.com) |
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ホスピス財団・毎日新聞共催イベント第2回が開催されます | ||||
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『Whole Person Care 理論編・・・医療の源流と実践』が刊行されました | |||
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第10回 WPC 研究会が開催されます | ||||
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ホスピス財団ニュース47号が発行されました | ||||
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「日本のホスピス50年」記念コンサート&シンポジウムが開催されました | |||||||||
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ホスピス緩和ケアボランティア研修会が開催されました | ||||||
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ホスピス・緩和ケア白書2024が発行されました | ||||
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映画『近江ミッション』のご案内 | |||
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『Whole Person Care 教育編』が好評発売中です | |||
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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
(記事のコピー等をご希望の方はホスピス財団事務局へご連絡ください。) |
・「記念日反応」の奥深さ・・・滝野隆治の掃苔記 家族を亡くした方で、その命日や、誕生日をつらく感じる人がいるという。これを記念日反応と呼ぶそうだ。 第46回死の臨床研究会でグリーフケアの先駆者である大西秀樹先生は遺族に対して、こういうことが起きますよと伝えることが必要と力説されている。 (毎日新聞 2024/10/10 掲載) 滝野隆浩の掃苔記:「記念日反応」の奥深さ | 毎日新聞 |
・必ず来る「その時」を考える 最後まで残したいものは何か? 自分のやりたいこと、大事にしたいことをカードに書き、死が迫ったときに残したいカードを考えることで、死を見つめ、自分の生を考えるヒントにするワークショップを実施している浄土宗の寺院を紹介した記事。 (毎日新聞 2024/10/07 夕刊掲載) 特集ワイド:必ずくる「その時」を考える 自分を見つめ「死の体験旅行」に参加 | 毎日新聞 今度は毎日新聞の夕刊に記事掲載 | なごみ庵blog |
・医療ルネサンス 「緩和ケア」(6回シリーズ) ガン患者にとって痛みは最大の悩み、緩和ケアにとっても大きな課題。しかし、緩和ケアを知らない 患者も多くいることも事実。今回のシリーズでは緩和ケアを受けることよって痛みが軽減され、QOLが 改善された例を紹介している。 (読売新聞 2024/09/18〜25 連載) [医療ルネサンス]緩和ケア<1>緩和ケア医 がん経験発信 : 読売新聞 |
・書評 評者 養老孟司 ・死ぬということ 黒木登志夫著 中公新書 ・残された時間 ヘンリー・マーシュ著 みすず書房。 (毎日新聞 2024/09/17 掲載) 死ぬということ 医学的に、実務的に、文学的に -黒木登志夫 著|中公新書|中央公論新社 残された時間 | 脳外科医マーシュ、がんと生きる | みすず書房 |
・「余命2週間」咲いた命 幼少期から病気と闘い、最後に白血病で19歳で命を失った武川沙音さんを、彼女の母武川咲子さん、はその娘を看護したことを絵本にし、家族や仲間のふれあいを描き、彼女が亡くなる直前に、その原画展を丸亀市で開催した。。 (毎日新聞 2024/09/17 掲載) わたしはひとりじゃない | みらいパブリッシング 余命2週間の19歳 「楽しいこといっぱい」 家族と果たした約束 | 毎日新聞 |
・親のみとり 代行サービス・・・介護、納骨まで 様々な事情で親の介護や看取りをできないという悩みを解消するサービスを実施している一般社団法人「LMN」を紹介した記事。何が何でも親の面倒を観なければならないという社会通念は薄れてきていると指摘するジャーナリストもいるなか、親の介護で苦しむ人が安心して相談できる場所があることは意味があるかもしれない。 (読売新聞 2024/08/27 掲載) 一般社団法人LMN [関心アリ!]親の介護や みとり代行 : 読売新聞 |
・墓じまい どうおもう? 少子高齢化の進む中、「終活」のなかで「墓じまい」の動きが広がっている。二つの考え方があり その論点を記した記事。 A 論:墓は先祖代々守るもの 意見「墓の前に立つと生前の父の姿を思い出す」 「今の自分があるのは先祖のおかげ。これからも墓を守っていきたい」 「墓があることで、親族が集まる。墓は家族をつなげる役割がある」 コメント・・・墓は死者の尊厳を保つ場所でもあり、生まれ育った土地に静かに眠りたいと思う人も 多いでしょう。死者の生前の意思が尊重されるのが望ましいでしょう 茨木キリスト教大学 森謙二名誉教授 B論:維持する負担思い改葬先を都内に変えた男性 「娘や孫に大変な思いをさせたくなかった。納骨堂であれば。都内に住む子どもたちも来やすい」 コメント・・・都市部への人口流出や核家族化で墓を継ぐ人がいなくなったことが大きい。 また価値観が多様化し、故人と向き合う場所が、従来の墓である必要はないとの考えも広がった。 シニア生活文化研究所 小谷みどり代表理事 (読売新聞 2024/08/16 掲載) 墓じまい」どう思いますか? : 読売新聞 |
・家族見送り、がん抱えてひとり 平塚奈美さん(47歳)をインタビュー。母を中学3年で亡くし、祖母は7年前に、父は5年前に そして一人になったら、2年前、自分が乳がんになった経験を持ちながら、旅行や三線、英会話を学んでいる姿に勇気を与えられる記事。 (読売新聞 2024/07/25 掲載) [シングルスタイル・生きる]家族見送り がん抱えてひとり : 読売新聞 |
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