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今月のコラム |
大阪国際がんセンター
がん相談支援センター長 ソーシャルワーカー 池山 晴人
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クライエントの目線の高さと歩く速さ
一学生から社会人となってから35年、いくつかの職場を移らせていただきながらも今日までソーシャルワーカー職を続けることができた。十分な振り返りはできていないが、ひとえにクライエントの多様性に学び、導かれてきた年月であったと思う。 それは、医療に接する患者さん・家族の“困りごと”を伺い、特に人生の最終段階の暮らしを模索するお手伝いに携わるとき、クライエントの家族や他者との関わり、学校・仕事やお金との関わりをはじめ、浮き彫りとなる“その人らしさ”を、病院という組織、医療やさまざまな社会保障制度など、それなりに強固な枠組みの中でいかに維持するか、という協働としたかった。 今、がん治療は外来中心となり、積極的治療終了の日も外来で迎えることも多い。主治医からその説明を受けた直後、相談室で私は「はじめまして」と挨拶し、訪問診療やホスピス・緩和ケア病棟の情報提供と実際の施設選定をし、クライエントとの会話を通して“その人らしさ”を伺うことで、人生の最終段階のくらしを模索して実際の調整をはじめる。お目にかかるのはその日だけ、数十分だけの場合もあった。 もちろん所属施設でも、意思決定支援を充実させるべく全治療プロセスにおけるACPを進めているが、先延ばしにしたい事項No.1であることも大切に受容したいと思う。 クライエントの目線の高さで、クライエントの歩く速さで。お目にかかるのがクライエントの人生のわずか数十分、せいぜい数日だとしても、その多様な価値にふれさせていただけることを大切にしたい。 |
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新 Whole Person Care ワークショップが開催されます | |||
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第8回 Whole Person Care 研究会が開催されます | |||
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第6回ホスピス財団国際セミナーが開催されます | |||
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「ホスピス緩和ケア白書2023」が完成いたしました | |||||
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「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2023年」が発行されました | |||||
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ホスピス財団ニュース44号が発行されました | |||||
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映画『明日香に生きる』のご案内 | |||
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『Whole Person Care 教育編』が好評発売中です | |||
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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
(記事のコピー等をご希望の方はホスピス財団事務局へご連絡ください。) |
・東京でこどもホスピス設立を目指す 19歳の息子を骨肉腫で亡くした母、佐藤良絵さんは、苦しむ息子を看取った経験から、こどもホスピスを東京に作りたいとの思いでNPO法人「東京こどもホスピスプロジェクト」を設立し、自らが代表理事として講演会などで訴え、関係省庁で検討が始まっていることを紹介した記事。 (読売新聞 2023/07/02 掲載) |
・不安社会・・・・健康情報の代償 ある栃木県の末期がん患者が、標準治療では効果が現れず緩和ケアへと言われショックを受け、自由診療の「自家がんワクチン療法」を知り、高額は医療費を支払ったが効果はなく、死期を早めた結果となった。遺族は訴訟を行い勝訴したが、同様の問題は多いと思われる。医師が患者に寄り添い対話をしっかりすることが大切なことを紹介した記事。 (毎日新聞 2023/06/29 掲載) |
・シリーズ「死と生を見つめて」第3部 グリーフケア(6回掲載) 死別の悲嘆に寄り添う「グリーフケア」関する現状を6回にわたってレポートした特集記事。 2005年の福知山線脱線事故がきっかけとなり、グリーフケアという言葉の広まりとともに、遺族ケアの多くの取り組み、組織が活動している。 グリーフケアの研究者、指導者の立場からの活動、被害者遺族がグリーフケアの指導を行う実例や、グリーフケアの認定制度も知られつつあること、コロナ禍で最期を看取れなかった哀しみ(あいまいな喪失)、また寺院や葬儀場が遺族に寄りそう取り組みをしていることを紹介した記事。 (読売新聞 2023/06/14〜21 連載) |
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