新型コロナウイルスに罹患された方々、またコロナ禍により生活面等で困難な中におられる方々へ、
心よりお見舞い申し上げます。 また感染症対策に尽力いただいている保健、医療従事者の方々へ心より感謝申し上げます。 ホスピス財団 理事長 柏木 哲夫
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今月のコラム |
淀川キリスト教病院の全景
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“希望”
福田 峰子
淀川キリスト教病院 副院長・看護部長 / ホスピス財団理事 「そればかりでなく、苦難をも誇りとします。私たちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は連辣を、練達は希望を生むということを。希望は私たちを欺くことがありません。私たちに与えられた聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれているからです」 (新約聖書 ローマの信徒への手紙 5章3‐5節) 淀川キリスト教病院の看護理念は、全人医療に基づいた「Tender Loving Care」を実践することです。具体的には、一人ひとりがその人らしい日々を過ごすことができるよう、その方の存在や個別性を尊重し、共にあることを大切にしながら、科学的知識と的確な技術をもって優しく行き届いた看護を実践することを目指しています。 1973年の月報に武村総婦長は、「YCH(淀川キリスト教病院)における看護で最も大切なことは、すべての思考、行動の基盤に、対象に対して愛情を持つことであると考えます。たいへん非科学的な言葉ですが,それは私どもがどんなに知識と技術を習得していても、愛情から発想した応用でないものは対象を真に慰め、喜ばせることはないからであります。」と述べられています。私はここに淀川キリスト教病院の看護の原点があると考えています。 聖書には、「たとえ、予言する賜物を持ち,あらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、たとえ、山を動かすほどの完全な信仰を持っていようとも、愛がなければ、無に等しい」(コリントの信徒への手紙 )という御言葉があり、愛がなければ、全てが無意味であることを語っています。 また、愛について考えたとき、「自分がしてもらいたいことは他の人にもそのようになさい」(マタイの福音書7章12節)という御言葉がすぐに頭に浮かびます。誰もが自分を第一優先にしてしまう自己中心的なものですが、自分のように他者を大切にする。相手に関心を持つ、大事に思い、心にかけ、気遣う、そして相手が何を大切に考えているのかを理解しようとすることが大切であると思っています。 当院の行動指針の1つ、「人間観」には「私たちは、全ての個人を「神に創造された意味ある存在」として認め、尊重します」とあります。人を神様から創造された、かけがえのない独自の存在であると捉えるならば愛のある心のこもった思考や行動につながるのではないでしょうか。 マザーテレサが忙しく働くシスターたちに、「大切なのは、どれだけたくさんの事をしたかではなく、どれだけ心をこめたかです」と語りました。忙しい仕事の中で早く仕事をすることに価値を置きがちになりますが、心をこめて愛をこめて思考し、行動できるものとなりたいと思います。 苦難は私たちをおそう苦しみ、忍耐は「期待して踏みとどまる」、練達は「確信」とも訳されます。神様との関係性のなかで苦難の中でも期待して忍耐することができ、その中で確信が得られ、それが希望となる、信頼して歩んでいくことができます。 私たちの歩みは、決して平たんな道ではないかもしれませんが、患者さんの希望に寄り添い、また自分の置かれた場所で、信じる道に向かって、希望を持って歩んでいきたいと思います。 淀川キリスト教病院週報(2022.5.30)より一部修正して転載 |
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ホスピス・緩和ケアボランティア研修会が7月22日(金)、大阪にて開催されます | |||
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日本のホスピス 50 周年記念シリーズ講演会『ホスピスのこころの医療(HOSPICE MINDED MEDICINE)』 第3回が開催されます | |||
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ホスピス財団第5回国際セミナーが開催されます | |||
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『Whole Person Care 教育編』が好評発売中です | |||
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ホスピス・緩和ケア白書2022が発行されました | |||
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2023年度調査・研究助成の公募を以下の通り案内いたします | |
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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
(記事のコピー等をご希望の方はホスピス財団事務局へご連絡ください。) |
・ステージ4の「緩和ケア医」が辿り着いた「がん治療」の答え 緩和ケア医の山崎ふみお章郎氏(74)は数年前にステージ4のがんに侵されていることがわかり、治療を続けている。抗がん剤の副作用を経験し、思索の末に辿り着いた「がん治療」の答えとは。 ご本人が「がん共存療法」の試みを証された記事。 (週刊新潮 2022/06/30号 掲載) https://www.shinchosha.co.jp/book/603883/ |
・映画「PLAN 75」 — 倍賞千恵子主演、早川千絵監督の話題作 上映中の映画。75歳になると安楽死を選べる制度が国会で承認され、導入されるというシチュエーションで展開される。それは現代の姥捨て山なのか、自由意志を尊重することなのか・・「安楽死」が今後大きな問題となる中で、議論を呼ぶきっかけになるかもしれない。 (毎日新聞 2022/06/17 夕刊掲載) 映画のホームページは以下URLを参照 https://happinet-phantom.com/plan75/ |
・”悲嘆癒す力 本に託し” 附属池田小事件21年 2001年附属池田小で長女を亡くした本郷由美子さんは、その後グリーフケアの働きを行い「精神対話士」の資格を取られ、講演活動など行っているが、東京にグリーフケアの為のライブラリー「ひこばえ」を開設したことを紹介した記事。悲嘆の感情を抱くに支えになれたらと語られている。 (毎日新聞 2022/06/09 掲載) https://mainichi.jp/articles/20220609/ddn/041/040/006000c |
・医療ルネッサンス 「変わる薬局」 —新しい形態の薬局が広がりつつあることを紹介した5回連続記事 在宅で抗がん剤治療中の患者に積極的に対応する「専門医療機関連携薬局」、患者宅を訪ねて薬の管理は指導を行う「地域連携薬局」、子育てや健康情報などを提供する「健康サポート薬局」また、過疎地でオンラインで服薬指導ができ、ドローンで配達をテストしている薬局など、変わりつつある薬局の姿を紹介している。 (読売新聞 2022/06/01〜06 連載) |
・がんドクトルの人間学(山口 建:県立静岡がんセンター総長)「臨床試験の意義」 臨床試験(治験を含め)の意義とその実施手順を説明し、一方でまれではあるが患者が不利益を被ることもあるので、医師の説明を十分に理解することが必要と説いている。 (毎日新聞 2022/06/02 掲載) |
・「乙女オバさん」の生き方・・・がん、うつ病、離婚を経て — 女優・南 果歩さんへのインタビュー わずか3年の間に、がん、うつ病、離婚と人生のどん底を経験した南果歩さん(58歳)。しかしその後、活躍の場は世界に広がり、「お一人様」を謳歌する日々を過ごされている。「心に傷ができても、かさぶたがはがれたとき人は強くなる」と今は語られている。その道のりをインタビューした記事。 (毎日新聞 2022/05/27 夕刊掲載) |
・「原発不明がん」を知る 最初にできたがんの「原発巣」が見つからず、転移した病巣だけが見つかるがんのことで、がん全体の1~5%を占めている。治療法が確立でていおらず、確定に手順と時間がかかるが、新薬の臨床研究が期待されていることを紹介した記事。 (毎日新聞 2022/05/19 夕刊掲載) |
・「生前の姿」とゆっくり別れ ・・・エンバーミングについて エンバーミングを施すことで、別れの時間をゆっくり過ごしたいという人に支持され、需要が増えつつある。コロナ禍で、高齢者施設や病院で感染防止のため生前に満足のいく面会や看取りが出来なった遺族からのエンバーミング希望が増えているとのこと。エンバーミングについての現状などを紹介した記事。 (毎日新聞 2022/04/19 掲載) |
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