(公財)ホスピス財団 メールマガジン「今月のお便り」 vol.8
今月のコラム
 
内布 敦子先生

兵庫県立大学
看護学部 学部長
ホスピス財団 事業委員
内布 敦子
  日本版ホスピスケアと「おもてなし」
 先日テレビ(NHKスペシャルだったと思う)を見ていたら、「日本式サービス 強さの秘密」というテーマで、日本で独特の発展を遂げたおもてなしの文化について説明していた。世界に名だたる名門ホテルのサービスはもちろん高品質であるが、日本の旅館は、その品質と本質的に異なる次元の高品質を提供しているというのである。気になったのはサービスの提供者と顧客との関係である。欧米のホテルは全世界にチェーン店を持ち、サービスの手順は分厚いマニュアルによって管理され、あらゆる顧客の要望に応え、満足を高めるよう努力している。つまり顧客は完全にサービス提供者の上に位置しており、サービス提供をする側はあたかも顧客のしもべのような存在として位置づけられている。一方、日本の旅館はというと、顧客とサービスの提供者(旅館)が対等の位置に居て、旅館は独自の哲学(文化)のもとにもてなしを創出し、客に提供する。客はあたかもその文化を理解できるかどうか試されているかのような側面を持つ。顧客担当者にマニュアルはない。そしてこの異次元の高品質サービスが今世界から注目されているという。海外で日本の旅館のおもてなしを提供しようとする経営者が、マニュアルに慣れた現地の従業員に「自分で判断して動け」というと、従業員は必死にサービスとは何か考え始め、その行動には誇りが宿り始める。
 私たちが持っているこの素晴らしい文化に私たち自身は気づいているのだろうか。ホスピスにおいても日本独自のケアがすでに提供されているのではないか。日本独自のホスピスケアというものがあるとしたら、それはどのように言語化されるのか。
 ホスピスの始まりはイギリスであるが、今やその考えかたは多くの国に広まっている。そこに文化がある限り、その影響を受けてモディファイされるのは当然のことである。さて、我が国独自のホスピスケアとはどのようなことを言うのだろうか。もしそれが日本の旅館が提供するおもてなしのように、個々のスタッフが、自分の哲学(しかしその哲学を押しつけることはなく)と専門性をもって自分の頭で考え、判断し、対等の位置にいる患者の最高のwell-beingに極限まで挑むものであったら、それはもしかしたらとんでもなく高品質のケアということができるのかも知れない。マニュアルによって品質管理をされたサービスの良さを否定することなく、ジャパン発のホスピスケアを言語化すること、そしてそれを世界に発信する野望はあながち非現実的でもないと思う。
 
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「ホスピス・緩和ケアフォーラム2015」協力医療機関 募集のご案内
 「ホスピス・緩和ケアフォーラム」は、医療従事者のみならず市民の方々にもホスピス・緩和ケアへのご理解を深めて戴く目的で、本財団が主催し、毎年全国各地で開催しております。
本財団は2015年度ホスピス・緩和ケアフォーラム開催の協力医療機関を下記の要領で募集いたします。
(詳細はホームページを参照して下さい)



「ホスピス・緩和ケアフォーラム2015」開催実施要領

■実施時期: 2015年4月~2016年1月
■プログラム:会場の選定、講師の選択等の具体的プログラムは、当財団と相談のうえ決定します(過去の実施例は、こちらから)→https://www.hospat.org/458.html
■助成金額:100万円(講師謝金、旅費交通費、会場賃借料、印刷費等すべての経費を含む)
■募集期限:2015年1月19日(月)必着

過去の「ホスピス・緩和ケアフォーラム」の様子-1   過去の「ホスピス・緩和ケアフォーラム」の様子-2   過去の「ホスピス・緩和ケアフォーラム」の様子-3
 
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ホスピス・緩和ケアフォーラム2014 in 甲府 が開催されました
 
 11月30日(日)甲府富士屋ホテルにおいて、第27回目となるホスピス・緩和ケアフォーラムが開催されました。300名以上の参加があり、特別講演として花の谷クリニック院長伊藤 真美氏により“これからの「医療」は「介護」と「福祉」とともに”と題して、多くの示唆を含む講演をいただきました。また、シンポジウムでは、「地域でいのちをみつめる」と題して伊藤先生と4人のシンポジストの先生方からそれぞれの現場での体験が語られ、地域ぐるみのホスピス・緩和ケアの実際を知るいい機会が与えられました。会場からも多くの質問がなされ、関心の高さが窺われました。

ホスピス・緩和ケアフォーラム2014 in 甲府の様子-1   ホスピス・緩和ケアフォーラム2014 in 甲府の様子-2
 
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第6回グリーフ&ビリーブメント カンファレンス
第6回グリーフ&ビリーブメント カンファレンスのポスター   ◎ 2015年1月17日(土) 11時~17時
◎ 会場 関西学院大学 大阪梅田キャンパス1004号室
◎ 講演 (1) “グリーフケアの提供者の養成が目指すこと”
                      講師:山本佳代子氏 (上智大学グリーフケア研究所)
              (2) “遺族外来からみえてきたもの~臨床と研究、そして社会へ~
                      講師:石田真弓氏 (埼玉医科大学 国際医療センター)
◎ 参加費  2000円(学生は無料)
◎ 詳細はホームページをご覧ください。                
 
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ホスピス財団ニュース 27号が発行されました
 
 ホスピス財団の活動内容や、ホスピス・緩和ケアに関する情報などが掲載されています。是非ご一読ください。
ホームページでご覧いただけますが、ご希望の方には無料で送付いたしますので、ホスピス財団へE-MAILで、送付先、必要部数を明記してお申し込みください。
 
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ホスピス財団の新パンフレットが完成しました
新しくなったパンフレットの表紙   一人でも多くの方々にホスピスの使命とホスピス財団の働きを知って戴きたいとの思いから、 一般の方にも分かりやすいパンフレット『私たちはホスピス財団です』を制作いたしました。 是非、ご活用ください。ご希望の方には無料で送付いたしますので、ホスピス財団へ E-MAILで、送付先、必要部数を明記してお申し込みください。
また、ホームページにも掲載しております。
 
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個人賛助会費と一般寄附が、オンライン(クレジット決済)でも支払いが出来るようになりました
 
決済サービスのイメージ写真    ホスピス財団財団では、新しく CANPAN決済システムを導入し、ご自宅のパソコンを使用して賛助会費(個人)と一般寄附の支払いが可能になりました。郵便局や銀行へ出向く必要がなく手軽に利用できますので、是非、ご活用ください。詳細はホームページを参照してください。
 
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その他のお知らせ
 
 鎌田 實さんの講演会が京都で開催されます。
「1%は誰かのために生きる ”命・健康・絆・支援を考える」
2014年12月13日(土)13:30~
ラボール京都 大ホール
 
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その他のニュース
ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介
 
・がん教育が京都の小学校で行われたことを紹介した記事。医師やがん経験者が子供たちに語りかけた。
(読売新聞 2014/11/8 掲載)

・人生の最終段階を迎えたときに、どんな治療やケアを受けたいかを事前にノートに書いてもらう取組が始まっていることを紹介した記事
(朝日新聞 2014/11/4 掲載)

・以前は自宅で最期を迎えたい人が6割以上いたが、末期がんや重い心臓病の場合は、病院を希望する割合が高まっていることを紹介した記事
(朝日新聞 2014/11/4 掲載)

・末期がんで余命半年と宣言された女性が、予告通りに自ら死を選んだことを紹介した記事
(朝日新聞 2014/11/4 掲載)

・女性がん患者への美容ケアを支援する取組を紹介した記事
(毎日新聞 2014/11/4 掲載)

・日本人の肝臓がん患者だけに特徴的な遺伝子の変異があることを発見した記事
(毎日新聞 2014/11/4 掲載)

・みんなのがん予防と題して、生活編と食品編として予防に役立つことを紹介した記事
(毎日新聞 2014/10/28・29 掲載)

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