新型コロナウイルスに罹患された方々、またコロナ禍により生活面等で困難な中におられる方々へ、
心よりお見舞い申し上げます。 また感染症対策に尽力いただいている保健、医療従事者の方々へ心より感謝申し上げます。 ホスピス財団 理事長 柏木 哲夫
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今月のコラム |
大阪大学名誉教授
ホスピス財団評議員 白樫 三四郎
写真:
2017年8月 豊中市の懐石料理 とよなか桜会での寺内慰労会 左:寺内選手 右:白樫氏 |
寺内選手との出会い
東京オリンピック男子水泳板飛び込みで決勝進出した寺内健選手(40歳)は、崇英コーチのもと、オリンピックに6回出場し、”レジェンド寺内”と呼ばれていますが、彼は、甲子園大学大学院人間文化学研究科修士課程で、私のゼミの生徒でした。 1980年宝塚で誕生。ある日母親が彼を乳母車に乗せて、自宅近くのJSSスイミング・スクールに連れて行ったところ、いつまでも水から上がってこないので、「この子は水が好きなんだ」と思い、以来寺内は幼稚園時代、小学生時代を通じて、JSSに通いました。最初は競泳をやっていましたが、あまり記録は伸びませんでした。ところが小5のある日、遊びのつもりで飛び込み台から飛び込んだところ、それをたまたま見ていた日本人飛び込みコーチが、「もう一度飛び込んでごらん」と言って彼の飛び込みを観察し、ただちに崇英コーチに連絡し、改めて二人で飛び込み演技を観察しました。それ以来寺内は崇英コーチの指導を全面的に受けることになったのです。崇英コーチは「寺内をオリンピックに連れていく」とその頃から言っていたそうです。後年わたくしが、彼に「どうして寺内をオリンピックに連れていくと言えたのですか」と尋ねたところ、「寺内には身体的、精神的、社会的すべての面でオリンピックへ行く条件が整っていたから」と答えました。 寺内は中学生で日本選手権最年少優勝、1996年、此花学院高校時代にはアトランタ・オリンピックに最年少日本代表選手として出場、高飛び込み4位という好成績でした。彼はオリンピック村内のマクドナルド・ハンバーガー店で「無料でハンバーガーが食べられるのが嬉しかった」と言っていました。(代表選手は無料で食事できたのです)。そして、1999年、寺内は甲子園大学人間文化学部に入学しましたが、毎日飛び込みの練習があり、崇英コーチの許可を得て、練習の合間に大学へ出かけるというのが実情でした。友人たちがノートを貸したり、講義の内容を聞かせたりして、寺内を支えました。そして2000年シドニーから連続してオリンピックに出場、今年40歳で東京オリンピック男子シンクロ飛び込み5位入賞、板飛び込み12位という結果を残しました。 寺内は毎年2月~4月、崇英コーチ出身地の中国への長期合宿のため、小学校以来卒業式というものに出席したことがありません。そこで2005年初夏、寺内一人のために甲子園大学大学院人間文化学研究科修士号授与式を行いました。教員、学生が広い教室に集まり、学長が修士号賞状を読み上げ、寺内に手渡し、お祝いのことばを述べられました。寺内が短いながら、感謝のことばを述べました。 寺内の修士論文について、私は「水泳を始めるきっかけ」、「国内での競技と外国での競技とではどちらが好きか、それはなぜか」などなど非常に多数の設問のリストを渡し、これら各設問に関する彼自身の回答えを、なるべく実際のデータに裏付けられたものを準備させ「水泳飛込競技に関する心理学的考察」という論文が完成しました。 私は今回のオリンピックでの寺内選手を見て、師(崇英コーチ)と弟子(寺内選手)の出会いが、オリンピックにまで繋がったということを思いお越しましたが、ホスピスでの医師、看護師と患者・家族の出会いも、このようであって欲しい、患者・家族に希望を与える出会いになって欲しいと願いたく思います。 |
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ホスピス財団20周年記念講演会が開催されます | ||||||
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ホスピス財団 第4回 国際オンラインセミナーが開催されます | ||
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日本 Whole Person Care 研究会 第3回オンライン読書会が開催されます | |||
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日本病院ボランティア協会研修会が、会場とONLINEの両方で開催されました | ||||||
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第4回 日本 Whole Person Care 研究会が ONLINE 開催されました | |||
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第14回 アジア太平洋ホスピス緩和ケア大会(APHC2021)が神戸で ONLINE 開催されます | |||
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日本死の臨床研究会2021の年次大会が開催されます | |||
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J-HOPE4が発行されました | |||
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情報コーナー | |||
ホスピス財団の「意識調査」*1が小谷みどり氏の連載コラム「それぞれの最終楽章:死を学ぶ理由」 (朝日新聞土曜版 7月、8月 6回連載)で紹介されました |
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死や葬儀など死生学の分野で広く活躍されている、シニア生活文化研究所・所長の小谷みどり氏が、高齢化社会の日本で、終末期に関する課題を様々な視点で問題提起されている興味深いコラムです。連載の4回目と6回目には当財団の「意識調査2018」が引用されています。
小谷みどり氏のコラム記事はこちら https://www.hospat.org/colum_kotani.html *1 ホスピス緩和ケアに関する意識調査2018の詳細はこちら https://www.hospat.org/research1-4.html |
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本の紹介 | |||
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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
・垣添忠生氏の地球を読むシリーズ「最期に備える」 終末期医療の大きな課題である意思決定について、欧米やアジアの文化を比較しつつ、ACP(アドバンスケアプランニング・人生会議)の意義や意思決定の大切さを訴えている提言。 (読売新聞 2021/08/22 掲載) |
・患者の思いに応える研究を 佐久総合病院の村上 穣医師は、母親から生体腎移植を受けた経験の持ち主で、そのことから医師と患者の両方の目線を持つことができたと語る。そして一般社団法人「PeⅮAL」という患者の声を聞き研究する団体の代表理事として活躍されている。その村上医師にインタビューした記事。 (毎日新聞 2021/08/06 掲載) |
・医療ルネサンス「意思決定:面会制限」(6回連続) コロナ禍で、ホスピス病棟、一般病院、リハビリ病院、施設での面会が禁止されている中、家族も本人もそれぞれの辛い気持、また今後の意思決定の迷いなど苦悩の日々、また一方で最期を自宅で過ごせた方など、いくつかの家族を取材した記事。読み進むにつけ、面会禁止の重さが伝わる記事である。 (読売新聞 2021/07/30 〜 08/06 連載) |
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