新型コロナウイルスに罹患された方々や、今夏の水害により生活面等で困難な中におられる方々へ、 心よりお見舞い申し上げます。 また感染症対策に尽力いただいている保健、医療従事者の方々へ、災害復旧にご労されている方々へ 心より感謝申し上げます。 ホスピス財団 理事長 柏木 哲夫
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今月のコラム |
映画監督
溝渕 雅幸
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「結びの島」を撮り終えて コロナ禍が続く中、世間は色々と騒がしい。この間、水際で活動を続ける医療従事者の方々には心からの感謝を捧げたい。また、病に斃れられた方々とそのご家族には心からの哀悼の意を捧げます。 様々な報道が為される中、心が痛むのは、お亡くなりになった方々が、臨終の時を大切な人と迎えられなかったということだ。このような悲しい現実を目の当たりにして、思いを巡らせるのは、新作映画の制作過程で私自身が改めて蒙を啓かれた過程である。 本作の主人公は、山口県の周防大島で在宅医療に力を注ぐ岡原仁志さん。父親の病院を継ぐために平成十五年に島に帰ってきた。彼の診療活動はユニークかつユーモアに溢れているのだが、「少しやりすぎ?」と感じないでもなかった。帰ってきた当初はクリニクラウンに扮しての往診、時にはナースのコスプレなど…、さらに患者やその家族とのコミュニケーション方法に『ハグ』を取り入れるなど。この様な診療活動が、極端に高齢者の多いこの島では直ぐに受け入れられたわけではない。私も取材開始当初は引き気味であった。 本作では二十か月という長期間にわたる取材を敢行したのだが、その過程で私の見方は少しずつ変わっていった。劇的だったのは、岡原さんの在宅医療を受けて自宅で母親を看取った女性との出会いだった。彼女は見ず知らずの取材班を自宅招き入れ、寒い時期には熱いコーヒーを暑い夏には冷たいものを振舞ってくれた。その時々に、彼女は姉妹で看取った母親のことを語ってくれた。 岡原さんは在宅医療で最も大切なことは家族の援助に尽きるという。介護の家族力が乏しい時にはどうすればよいか?自宅での療養や認知症などが原因で家族間のコミュニケーションが難しくなっているときはどうすればよいのか?彼の答えは医療者が橋渡しをするということ、病気を診るだけではなく人を診る、そして家族をも診るということだ。 岡原さんのようなアプローチは万人に出来ることではない。特にこの国においては身体接触を伴うコミュニケーション手法にアレルギーがある。しかし、その根底にある考え方が患者やその家族にとって意味のあることであれば、思いは相手の心に通じるのだ。出来るだけスマートにと考えていた私の対人関係に関する考え方の根本を揺るがせたのは岡原さんの『ハグ』を伴うアプローチ手法であった。 このコロナ禍にあっては、コミュニケーションあり方が問われている。感染を防止するという観点からは至って当然ということでもある。しかし私は敢えて今、大切な事は何か?を見つめ直していきたいと考えている。 映画「結びの島」は10月から全国で順次上映予定。
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ホスピス財団 20周年記念講演会 | |||||
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Whole Person Care ワークショップ2020 | ||||
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ホスピス財団 第4回国際セミナー | ||||
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日本 Whole Person Care 研究会が発足しました | |||||
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『 Whole Person Care 実践編 』 ー医療 AI 時代に心を調え、心を開き、心を込めるーが発刊されました | |||||
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溝渕雅幸監督 いのちに寄り添うシリーズの三作目が近日上映されます | ||||||
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J-HOPE4が発行されました | |||
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第20期事業報告書が発行されました | |||
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『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』 好評発売中 |
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情報コーナー |
コロナ新時代への動画メッセージ(日本死の臨床研究会主催)が公開されています | ||
今年の日本死の臨床年次大会は延期となりましたが、中橋・井上両大会長と世話人代表の髙宮よりの動画メッセージに加えて、特別講演として、ホスピス財団理事長の柏木哲夫氏の興味深い動画講演が紹介されていますので是非、ご覧ください。 | ||
特別講演 「コロナと距離~人と人との距離」 日本死の臨床研究会顧問 柏木哲夫氏 “患者にはその日その日の距離がある。” 川柳:柏木哲夫氏 |
ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
・妻の最後の恋文 乳癌で61歳の妻を亡くした男性が、妻から最後に受け取った手紙を紹介した記事。24年間に亘った闘病生活であったが、支え合い、夫婦で歩んだ幸せな人生に心打たれる記事である。 (毎日新聞 2020/08/12 掲載) |
・ALSの医師が紡いだ言葉 ALS当事者で医師の竹田主子(きみこ)氏が嘱託殺人事件について寄稿された2回の記事。 安楽死の法制化についても反対を表明されている。 (毎日新聞 2020/08/10・11 掲載) |
・生きてる間につかいたい シニア文化研究所の小谷みどり氏(ホスピス財団事業委員)が高齢者に元気を与える講演を行いつつ、私財と投じてカンボジアのプノンペンにパン工房を立ち上げ、現地の人々の経済的自立を支援する活動を紹介した記事。 (毎日新聞 2020/08/09 掲載) |
・鎌田 實先生の「PPH」 医師で作家の鎌田實氏の新刊「コロナ時代を生きるヒント」を紹介した記事全国の「死と向き合う人たち」を訪ね回った旅の記録である。そしてコロナ禍の中にある日本人は「死」を直視し始めたと論じ、「PPH(ピンピンひらり)」を提唱されている。 (毎日新聞 2020/08/05 掲載) |
・終末期「人生会議」の意義 「人生会議」と呼ばれているACP(アドバンス・ケア・プラン)に関しては分かりくいことも多いが、その正しい理解について、3人の専門家のコメントを紹介した記事。 (読売新聞 2020/08/05 掲載) |
★今月のお便り10月号は、ホスピス財団ニュース39号が発行されますのでお休みとさせていただきます。 |
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