新型コロナウイルスに罹患された方々や、生活面等で困難な中におられる方々へ、心よりお見舞い申し上げます。また感染症対策に尽力いただいている保健、医療従事者の方々へ心より感謝申し上げます。
ホスピス財団 理事長 柏木 哲夫
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今月のコラム |
東北大学大学院
医学系研究科 保健学専攻 緩和ケア看護学分野 宮下 光令
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J-HOPE4研究の報告書発刊にあたって このたび、2018年に実施いたしました日本ホスピス緩和ケア・研究振興財団研究事業「遺族によるホスピス・緩和ケアの質の評価に関する研究第4次研究(J-HOPE4研究)」の報告書が発刊されました。J-HOPE研究は2007年、2010年、2014年度に実施されたJ-HOPE研究、J-HOPE2研究、J-HOPE3研究に引き続き4度目の財団としての全国調査です。ご協力いただいた遺族のみなさま、参加施設の皆様に心より御礼申し上げます。 J-HOPE研究の主たる目的は、遺族の視点により緩和ケア病棟を中心としたわが国の緩和ケアの質を評価し、その結果を各施設にフィードバックすることを通して、施設の質保証・質改善の情報を提供することです。また、同時に大規模調査の利点を生かして様々な付帯研究を実施し、ホスピス・緩和ケアに関する臨床的・学術的課題の解決を目指しています。今回のJ-HOPE4研究では過去最大の50の付帯研究が実施されました。今回発刊された報告書には、個々の付帯研究の主たる結果がすべて掲載されており、現在担当者が学術論文を作成しています。 J-HOPE4研究における付帯研究の1つの目玉はEast-Asian collaborative Study to Elucidate the Dying process(EASED)研究(*1)と遺族調査を連結することにより,緩和ケア病棟で行われている医療の実態と,それらの遺族による終末期医療の質の評価との関連性を明らかにした点です。EASED研究とは日本,韓国,台湾の緩和ケア病棟に入院した終末期にある患者の死亡直前期の医学的過程と終末期医療の実態を明らかにした研究です。遺族調査との連結は日本だけで行われたものですが、わが国の22の緩和ケア病棟で収集された死亡直前期のデータと遺族調査を連結し、仮想的なコホート研究が行われました。過去3回のJ─HOPE研究は,横断研究であったため,死亡前に行われた医療と遺族による緩和ケアの質の評価との因果関係を探索することは困難でしたが、今回のEASED研究との連結により、時間経過を追っての因果関係を推測することが可能となりました。このような大規模な仮想コホート研究は世界的にも珍しく、わが国からのホスピス緩和ケアに関する研究の新たな知見の発信に役立つものと考えています。実際にこのような取り組みをしてみると、反省点も多いのですが、これは次のJ-HOPE5研究に生かしたいと考えています。 繰り返しになりますが、EASED研究との連結課題を含めて50の付帯研究はそれぞれが興味深いものばかりです。報告書は日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団のWEBサイト(*2)に全文を掲載しておりますので、ぜひ多くの方にご覧いただき、ご活用いただければ思っております。 *1 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団 事業報告書 「日本・韓国・台湾 第2期共同研究事業」 https://www.hospat.org/assets/templates/hospat/pdf/report_2018/2018-4.pdf *2 https://www.hospat.org/practice_substance4-top |
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ホスピス財団 20周年記念講演会 | |||||
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Whole Person Care ワークショップ2020 | ||||
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ホスピス財団 第4回国際セミナー | ||||
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『 Whole Person Care 実践編 』 ー医療 AI 時代に心を調え、心を開き、心を込めるーが発刊されました | |||||
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J-HOPE4が発行されました | |||
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第20期事業報告書が発行されました | |||
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ホスピス財団ニュース38号が刊行されました | |||||
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『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』 好評発売中 |
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情報コーナー |
コロナ新時代への動画メッセージ(日本死の臨床研究会主催)が公開されています | ||
今年の日本死の臨床年次大会は延期となりましたが、中橋・井上両大会長と世話人代表の髙宮よりの動画メッセージに加えて、特別講演として、ホスピス財団理事長の柏木哲夫氏の興味深い動画講演が紹介されていますので是非、ご覧ください。 | ||
特別講演 「コロナと距離~人と人との距離」 日本死の臨床研究会顧問 柏木哲夫氏 “患者にはその日その日の距離がある。” 川柳:柏木哲夫氏 |
ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
・意思決定 「私と人生会議」(8回シリーズ) コロナ禍の中にもかかわらず、重い肝硬変の男性が、LINEも使用しつつ、自身のこれからを話合うための2回目の人生会議を5月に開催した。それまでの過程や、人生会議の様子などを取材した記事。今回の事例は、「最期にどんな医療やケアを受けたいかを話し合う」という紋切型の定義を超えて、人生会議を通して人と人とのつながりの大切さを教えられる良い事例である。 (読売新聞 2020/06/11 〜23 連載) |
・男性がん患者も外見で悩みを抱えている 抗がん剤の副作用で、髪の毛が抜けたり、肌が荒れることを男性も気にしている、また、そのことが仕事へも影響していることに対して、国立がん研究センター中央病院が電子ガイドブックを公開したことを紹介した記事。 (毎日新聞 2020/06/11 夕刊掲載) |
・ACP(人生会議)を考える・・・特集記事(後半3回) 終末期の延命処置や、救急搬送に関して、本人の意思を家族や医療者と相談し、意思表示することの大切さを伝える記事。単なる死に方の選択ではなく患者の死への思いを共有することが大切、延命か尊厳か、延命治療を希望することもACPである。また、コロナ問題でACPが各国で見直されていることも紹介されている。 (読売新聞 2020/05/25〜27 連載) |
・がん治療専門医、自らが膀胱がんに罹ったことを紹介し、がんはわずかな知識の有無で運命が変わる病気であり、生活習慣と早期発見の2段構えが大切であることを紹介した記事。
(毎日新聞 2020/05/25 掲載) |
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