今月のコラム |
(公財)笹川記念保健協力財団 会長 ホスピス財団 理事 紀伊國 献三 |
「ホスピス」は差別用語? 先日、私の出席した委員会である委員が、最近「ホスピス」のコトバが差別用語と批判する人がいるとの発言があった。「ホスピス」は死なせる場所だ、おかしいという考えだという。続けて「ターミナルケア」が最近使われるのがはばかられるとの発言もあった。ターミナルホテルなどの名前も少なくなった。「ターミナル」=「おしまい」は差別となるとの考えだそうである。 たしかにコトバが重要であることは云うまでもないし、「成人病」が「生活習慣病」になった例もある。しかし、「患者さん」を「患者様」に云い換えても内容に変化がなければ白々しさが残るだけではないか。たしかにこれからの医療が提供者側の医療従事者とサービスを受ける患者とが同一視点で協力することは云うまでもないが、「コトバ」を変えればよしとするのはあまりにも安易な考え方ではないのか。 「ホスピス」もたしかに人生の最期を迎える一つの場所であることは間違いないが、安らかに死ぬ場所というやや消極的なニュアンスから、ホスピスでこそ提供することの可能性の高い安らぎのケアの提供、という積極性のあるケアに変化しつつあることも見逃してはならない。その意味では「ホスピス」のコトバは、WHOの2002年の定義のように「生命をおびやかす疾患に起因する諸問題に直面する患者と家族のQOLを改善する」に役立つならば、有限の人生を持つすべての人間に対する医療ケアの原点であろうし、在宅ホスピスの考えからすれば、緩和ケア病棟から退院率をそこでのケアの質の評価とすることも考えるべきであろう。 「ホスピス」は変える必要のないコトバであると信ずる。 |
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ホスピス財団の新パンフレットが完成しました |
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2015年度 事業助成募集のご案内 |
本年度より助成の対象が拡大されました 申請締切 11月30日(月) |
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セミナー・ワークショップ・研修会のお知らせ |
第5,6回 Whole Person Careワークショップが開催されました。 | |||
大阪、札幌の両会場で第5,6回ワークショップがショップが開催され、各々12名の参加があり少人数でしたが、中身の濃い、充実したワークショップとなりました。 2015年度も同様のワークショップを企画中ですので、多くの方々の参加を期待しております。 |
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その他のニュース |
21世紀高野山医療フォーラムの紹介 |
・平成26年10月4日(土)12:00より日比谷公会堂にて、「医療と宗教、新しい時代へ」をテーマに21世紀高野山医療フォーラムが催されます。 21世紀高野山医療フォーラム公式ホームページはこちら→ |
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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
・仏教ホスピス ビハーラ僧の活動の日々、そして苦悩や葛藤を紹介した特集記事。最後の箇所にホスピス財団が2012年に実施した「意識調査」のデータが引用されています。
(毎日新聞2014/8/10 掲載) |
・延命治療という深刻な問題を本人とどう話合えばいいのか、についてのアドバイスを紹介した記事
(毎日新聞2014/8/10 掲載) |
・本人と家族の気持ちを大切にした終末期医療を望む患者の声 (毎日新聞2014/8/10 掲載) |
・フランスの大学病院が末期患者と家族が楽しめるワインバーの開店を計画していることを紹介した記事
(愛媛新聞2014/8/6 掲載) |
・末期がんで余命2ヶ月と宣告された47歳の女性が、自身の生命を見つめて書いた詩を劇団員の仲間と朗読することを紹介した記事 (毎日新聞2014/7/30 掲載) |
・6歳の娘を脳腫瘍で亡くした父が、子どもホスピスを作りたいという思いを抱く中、子どもために何か役立ちたいという思いを持った一人の元・看護師が1億円を寄付したことを紹介する記事 (朝日新聞2014/7/26 掲載) |
・がん患者とのコミュニケーションスキルをアップさせることが、患者の不安を和らげる効果があることを紹介した記事
(朝日新聞2014/7/26 掲載) |
・「病院頼み」から脱却して「在宅療養支援診療所(かかりつけ医)」の活用が今後の地域医療の充実の鍵となるとの提言記事
(毎日新聞2014/7/23 掲載) |
・がんと診断されれば、誰もが不安や疑問を抱くが、どうすれば適切な情報を入手できるかを紹介した記事
(朝日新聞2014/7/22 掲載) |
・超高齢化社会、多死社会を迎え、どうすれば自分らしく人生を締めくくれるか、その答え探しについての記事
(読売新聞2014/7/16 掲載) |
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