(公財)ホスピス財団 メールマガジン「今月のお便り」 vol.47
今月のコラム

 
榎原 良行氏
ホスピス財団理事
榎原 良行
  新たな時代に対応した地域福祉政策の課題

 少子高齢化や人口減少、核家族化の進行、地域のつながりの希薄化など、地域社会を取り巻く環境の変化などにより地域住民が抱える福祉ニーズが多様化、複雑化してきており、一億総活躍社会づくりが進められる中、福祉分野においても「ニッポン一億総活躍プラン」が平成28年6月2日閣議決定され、高齢者、しょう害者、児童など全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高めあうことが出来る「地域共生社会」の実現を目指すことになった。地域のあらゆる住民が役割を持ち、支えあいながら、自分らしく活躍できる地域コミュニテイを育成する。そこでは、住民が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制づくり及び市町村における育児、介護、しょう害、貧困、さらには育児と介護に同時に直面する家庭など所帯全体の複合化・複雑化した課題を包括的に受け止める総合的な相談支援体制づくりを支援し、推進することを目的にする。
 従来、介護やしょう害、育児、貧困といった福祉ニーズに対しては分野別の相談支援体制によって、行政や各地の包括支援センターの注力と働きで包括化が進められてきた。しかし地域住民所帯の複合的、複雑化したニーズに対しては現状では縦割り行政の弊害に起因していわゆる「たらい回し」される事態もあって適切なサービスを受けることができない対象者も存在した。

具体的に想定される例を挙げると

支援対象者(例)   連携先(例)
要介護高齢者の親と、無職でひきこもり状態にある子どもとが同居している所帯   地域包括支援センター、ひきこもり地域支援センター、地域若者サポートステーション等
医療・就労ニーズを抱えたがん患者と、しょう害児が同居している所帯   がん診療連携拠点病院、産業保健総合支援センター、公共職業安定所、福祉サービス事業所等
共働きの所帯であって、親の介護と子育てを同時に抱えている所帯等   地域包括支援センター、保健所等

 地域活動を通して住民が把握した課題に就いて、包括的に受け止め、相談、助言、情報提供を行うとともに、必要に応じて支援機関につなぐことのできる体制を構築する必要がある。専門的な知識をもちいて複雑な課題の解きほぐしに要する時間、単に相談件数の多さだけでは活動を評価できないそれらの仕事、それをサポートする充分な体制、必要な費用を賄う充分な財源とこれからの課題が大きい。
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「ホスピス・緩和ケアに関する意識調査2018年」が発行されました
 
ホスピス・緩和ケアに緩和ケアに関する意識調査2018年の表紙

ホスピス・緩和ケアに緩和ケアに関する意識調査2018年ダイジェスト版の表紙
   過去3回実施されてきましたが、この度6年振りに、4回目が実施され、報告書が発行されました。
終末期医療に関して、数々の興味深いデータが掲載されていますので、是非ご覧ください。
 ダイジェスト版『余命が限られた場合、どのような医療を受け、どのような最期を過ごしたいか』も掲載されています。

 ★新聞に記事として紹介されました。(情報コーナーに掲載)
 ★5月30日放映 札幌テレビ放送で紹介されました。
  https://www.stv.jp/tv/dosanko_eve/kininaru/u3f86t000003w2p3.html
 ★6月3日放映 フジテレビ ミスターサンデーでも紹介されました。
 
 
 
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第18期事業報告書が出来上がりました
 
第18期事業報告書チラシの表紙    2017年度は19事業が実施されました。


 
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ホスピス財団 第2回 国際セミナーのご案内 “米国の緩和ケアにおける倫理的ジレンマ” (逐次通訳付)
 
第2回 国際セミナーチラシの表紙    ホスピス財団では、本年も国際セミナーを開催いたします。
皆様のご参加をお待ちいたします。


 ■ 日 時:(1) 2018年6月30日(土) 13:30~18:30
       (2) 2018年7月1日(日) 13:00~18:00
 ■ 会 場:(1) 品川インターシティホール会議室
       (2) 梅田スカイビル スカイルーム
 ■ 講 師:Robert Macauley 先生
      (オレゴン健康科学大学医学部小児科 教授)
 ■ 定 員:東京会場と大阪会場にて各々100名
 ■ 参加費:無料
 
詳細と申込方法はこちら
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Whole Person Care ワークショップのご案内
 
Whole Person Care ワークショップチラシの表紙    8月4日(土)8月5日(日)千里ライフサイエンスセンターにて
Whole Person Care ワークショップが開催されます。
昨年より、新たにコースⅡが開講されています。
 多数のご参加をお待ちいたします。


 
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ホスピス財団ニュース34号が発行されました
 
ホスピス財団ニュース34号の表紙    ホスピス財団 第一回 国際セミナーの記事など各種ホスピス関連情報などを掲載しています。


 
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ホスピス財団が後援する新しい映画「四万十・・いのちの仕舞い」が、公開上映されています
 
映画「四万十・・いのちの仕舞い」チラシの表紙    高知県四万十川の美しい四季を背景に、地域に根ざした診療をされている小笠原 望医師と患者の方々との心暖まる交流がドキュメンタリーで紹介されています。是非ご覧ください。


 
詳細(予告編など)はこちら
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ホスピス財団の2018年度事業の紹介(4回シリーズ) その2
 
 ホスピス財団の本年度の活動計画が、2月のホスピス財団事業委員会で企画・立案され 3月の理事会にて承認されました。今回は、人材育成事業について その概要をご紹介いたします。

5.   ホスピス・緩和ケアボランティア研修セミナー開催事業
6.   Whole Person Care ワークショップ開催事業
7.   グリーフケア研修セミナー開催事業
8.   高齢者介護施設等の看取り教育研修(3年目)
9.   『Whole Person Care:Transforming Healthcare』翻訳事業
10.   「ともいき京都」におけるがん体験者・市民主体のプログラム創生事業
11.   医療者の燃え尽き症候群防止プログラム GRACE*1普及のための指導者研修会開催事業
 
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『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』 好評発売中
 
新たな全人的ケアの表紙  
 「Whole Person Care:A New Paradigm for 21Century」(Springer 社 2011年)の日本語訳として『新たな全人的ケア:医療と教育のパラダイムシフト』を青海社より全国で発売中です。
 Whole Person Care とはカナダ、マギル大学医学部で開発された、新しいケアの概念であり、従来の考え方を根本的に変えるアプローチです。
 是非、ご一読ください。
 
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情報コーナー
 
ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介
 
★ホスピス財団の調査『余命が限られた場合、どのような医療を受け、どのような最期を過ごしたいか』が、
 多くの新聞に記事として取り上げられました

(5月22日 日本経済新聞 5月25日 朝日新聞デジタル 5月26日 朝日新聞 掲載)
 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180525-00000018-asahi-soci

・在宅医療を地域で支える
在宅医療で頼りになる、“かかりつけ医”を中心として医療機関の連携が進められつつあるが、実際にそれがうまく機能している徳島市のクリニック医とそのネットワークを紹介するとともに、療養支援病院も同じように在宅医療に貢献している実例を紹介した記事
(読売新聞 2018/5/28、29 掲載)

・最期の迎え方問いかけ
ホスピス財団が後援している映画「四万十・・いのちの仕舞い」の映画監督、溝渕雅幸氏を取材した記事。
“いのちと死”をテーマとするに至った経緯などが語られている。
(読売新聞・奈良版 2018/5/28 掲載)

・和尚のフリーランス宣言
住職を辞め、フリーランスとして、仏道探求へと独自の歩みを始めた高橋卓志和尚に同行し、その生い立ちや、経歴、活動を取材した記事。「革命僧」「異端僧」と言われても、寺や宗派を超えて市井の人々のために尽くしたいという理念に、記者は得心した。
(毎日新聞 2018/5/27 掲載)

・再発がんの患者さんが集まり語り合う「集団精神療法」
埼玉医大国際医療センターの大西秀樹教授と臨床心理士の石田真弓講師が毎月1回、がん再発患者さんたちと語り合う会を開催されているが、それに参加した記者が感動を与えられた内容を紹介した記事。
記者は語っている「いのちのカウントダウンが始まっているとき。そんなときでも人は善くなろうとする。
人間はかよわい。だけど同時に限りなく、つよくやさしくなれるのだと」
(毎日新聞 2018/5/27 掲載)

・認知症になっても役に立てる
鎌田 實氏が、映画「蝶の眠り」の紹介から始めて、アルツハイマー病の解説を行い、かつその予防法や、認知症患者にも満ち足りた生活があることを紹介した記事
(毎日新聞 2018/5/21 掲載)

 
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