今月のコラム |
一般社団法人
WITH医療福祉実践研究所 がん・緩和ケア部 田村 里子 |
「緩和ケアにおけるソーシャルワークの手引き」について 公益財団法人日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団の平成17年度の事業助成をいただきまして、「緩和ケアにおけるソーシャルワークの手引き」を作成いたしました。 ホスピス・緩和ケアにおける多職種のチームアプローチで、ソーシャルワーカーは医療チームの一員として心理社会的ケアを担っています。現在は拠点病院や緩和ケアチーム、がん相談支援センターなど、がん・緩和ケアの領域で実践をするソーシャルワーカーは増加してきました。地域の急性期の基幹病院がこうした機能を担う中、複数の診療科を横断的に支援してきた中堅のソーシャルワーカーたちが緩和ケアの相談支援にも携わるようになりました。そこでこの手引きは緩和ケアには馴染みがなかったソーシャルワーカーの中堅者(臨床歴8年程度)を対象にし、内容的には支援の手順を示すことよりむしろ「緩和ケアの対象者をどのように理解し、援助者として自己覚知を深めつつ、どのように向き合い支援するか」に力点をおいたものになっています。 この手引きの基となったのは、ソーシャルワーカーの緩和ケアにおける心理社会的支援のスキルアップを目指したいと当財団の助成を受け2006年より全国で開催してきた「がん・緩和ケア領域のソーシャルワーカーのためのスキルアップセミナー」です。2006年の東京・山口開催から2007年は大阪・札幌、2008年より大分、金沢、神戸、高知、静岡、山形、鹿児島、京都、長野と、10年間で13回開催させていただきました。各回学ぶべきテーマに沿って基調講演・講義・演習と実践的な内容で継続してきました。 このセミナー参加者のアンケートを基に、手引きの柱を「本人を中心とした意思決定支援」、「厳しい状況におけるコミュニケーション」、「家族・遺族支援」、「連携(チーム・地域)」の4章とし、節にその必要項目を盛り込みました。作成にあたっては、セミナーを企画運営してきコアメンバーの緩和ケア協会会員施設のソーシャルワ-カー6名がワーキンググループとなり文筆し、緩和ケアのエキスパートの医師と看護師の4名の諸先生に評価委員としてご意見を賜り、それを基に検討と校正を重ね編集しました。 この「緩和ケアにおけるソーシャルワークの手引き」は、緩和ケアで実践するソーシャルワーカーへの日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団による暖かなご支援の賜物であり、心より感謝申しあげます。手引きが緩和ケアの領域の相談支援に携わっている実践者にソーシャルワークの実践的な手引き書きとして活用され、緩和ケアの患者さんとご家族への相談支援による心理社会的支援の充実に向け共に歩んでいけますよう祈っています。 備考 「手引きのコンテンツにつきましては、本年度、ホスピス財団ホームページに 掲載を予定しております」 (ホスピス財団事務局) |
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ホスピス財団 第2回 国際セミナーのご案内 “米国の緩和ケアにおける倫理的ジレンマ” (逐次通訳付) |
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Whole Person Care ワークショップのご案内 | |||||
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ホスピス財団ニュース34号が発行されました | |||||
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ホスピス財団が後援する新しい映画「四万十・・いのちの仕舞い」が、公開上映されています | ||||||
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『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』 好評発売中 | ||||||
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情報コーナー |
ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 |
・「蘇生拒否」という消防での新たな課題 救急車を呼んだものの、蘇生等の延命を拒否される場合が、高齢者で増えつつあり、救命隊員に戸惑いを与えている、また、法整備も必要であることを紹介した記事 (毎日新聞 2018/4/1 掲載) |
・より良い最期とは QOD(Quality of Death)に関して、医師、社会学者、そして歌手(前川清さん)が、“より良い最期”に関して、その思いや、アドバイスが記されている。シリーズの最終回 (読売新聞 2018/3/18 掲載) |
・がんカフェ 思い吐き出す場 がん経験者が井戸端会議のような雰囲気で語り合える場として、月1回、東京都江戸川区でがんカフェが開かれていることを紹介した記事 (毎日新聞 2018/3/14 掲載) |
・シリーズ記事 がん免疫治療薬 オプシーボに代表される、がん免疫治療薬の効果や副作用など、実際に患者に使用された実例を紹介した記事 (読売新聞 2018/3/7〜13 連載) |
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