今月のコラム |
奈良県のホスピスと
がん医療をすすめる会 会長 浦嶋 偉晃 (ウラシマ ヒデアキ) |
奈良で起った市民のうねり
当会は2000年12月に設立し、県の緩和ケア普及やがん医療向上、そして緩和ケア病床開設、さらに在宅ホスピス普及という目標に向かって進んでいる会で、200名以上の会員様に支えて頂いています。 発足のきっかけは、2000年9月に奈良県で柏木哲夫先生の「死にゆく患者と家族への援助」と題する講演会が開催され、その最後に、全国で奈良県を含む6県だけが、ホスピス空白県であると言われました。 その事に危機感を抱き、奈良県にホスピスを誘致するための方法が無いか有識者に相談し、その指導を得て「奈良県ホスピス勉強会」を設立し、HPを掲載し、勉強会を毎月開催しました。 その半年後、県庁を訪ね、県にホスピスが設置される予定があるかどうか訪ねた所、「現在、県立病院にホスピス・緩和ケア病棟を設置する計画は無い」「民間病院でも動きは無いと思われる」「県民の意識の高まり、開設への要望の増加などがあれば、県の施策に反映する事になるかも知れない」という、肩を落とす結果でした。 しかしここで粘り強い活動が必要と思い、勉強会を続け、2001年9月には山崎章郎先生をお招きし、ホスピス講演会を開催し、900名の市民の方が来場されました。 このときには毎回の勉強会、そして講演会を通して、県民の意識の高まりを感じました。 そこで「奈良県にもホスピスを!」という県民の意志を署名によって明らかにする事は、ホスピス・緩和ケア病棟が設置される上で大きな影響を及ぼすものと思い、奈良県知事、議会議長に対し「奈良県にホスピスを」要望しての署名運動を、2002年7月から10月まで実施致しました。 目標20,000名でしたが、街頭署名も実施し、最終総数は38,129名になり、11月20日県庁で知事、議会議長にお渡ししました。 翌年5月にホスピス設置推進に関する請願書を提出し、6月、議会厚生委員会において、ホスピス施設設置推進に関する請願書が採択され、7月に奈良県議会において、上記請願を全会一致採択されました。 その半年後の2004年2月に奈良県予算案に「ホスピス開設整備費」計上され、そしてついに2004年8月18日に国保中央病院に、緩和ケア病棟「飛鳥(あすか)」20床を2005年4月開設すると発表され、晴れて2005年4月29日に国保中央病院に奈良県で最初のホスピスが完成されました。 柏木先生のご講演をお聴きしてから4年半、署名を届けてから2年半、遂に県民の思いが叶いました。 県民の声を信じたこと、そして市民の力は無限大であることを感じた瞬間でした。 やはり行政や医療者任せでなく、市民から発信することが大切だと思います。 現在も当会では緩和ケアの普及啓発に大きく力を入れています。また新たな緩和ケア病床の開設にも力を入れています。 これからも県民の声をたくさんお聴きし、その声をベースに活動をし、がん対策の推進、向上に尽力し続け、県民が一つになるように邁進してまいります。 |
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Gramling 先生による国際セミナーのご案内 | |||||||
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ホスピス・緩和ケアボランティア研修会 |
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Whole Person Care ワークショップ | ||||||||
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第2回 Whole Person Care 国際学会が、2017年10月にカナダ、モントリオールで開催されます | |||||
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ホスピス財団の2017年度事業の紹介(4回シリーズ) その2 | ||||||||||||||||||||
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ホスピス財団ニュース 4月号が発行されました。 | ||||||
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ホスピス・緩和ケア白書2017が刊行されました | ||||||
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『新たな全人的ケア・・医療と教育のパラダイムシフト』 好評発売中 | ||||||
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情報コーナー |
出版記念講演会のお知らせ | ||||
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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介 | ||||
・肉、乳製品、コーヒーを多く摂る人は、そうでない人に比べて、死亡のリスクが少ないという調査結果が報告されたことを紹介した記事
(毎日新聞 2017/5/26 掲載) |
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・近く発表される第3期がん対策推進基本計画の内容を社説として掲載し、がん検診の受診率向上や、患者の雇用継続支援が盛り込まれていることが紹介されている社説
(毎日新聞 2017/5/21 掲載社説) |
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・親のがんを子どもに、どう伝えるべきか、または伝えない方がいいのかなど、難しいテーマであるが、適切に伝えることの大切さを紹介した記事
(毎日新聞 2017/5/21 掲載) |
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・終末期医療に関する啓発をするためのパンフレットを厚労省が検討していることを紹介した記事 来春に完成、自治体を通じて市民へ配布する予定。 (毎日新聞 2017/5/13 夕刊掲載) |
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・抗がん剤治療の副作用による、脱毛などの外見上の変化に苦しんでいる人は多いが、かつらなどによるアピアランス支援に関する情報を紹介した記事
(毎日新聞 2017/5/12 掲載) |
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