(公財)ホスピス財団 メールマガジン「今月のお便り」 vol.18
今月のコラム
 
島田 恒マネジメント事務所代表

島田マネジメント事務所
代表
ホスピス財団 理事

島田 恒
  ターミナルな状況から生を見つめて
 ホスピスは、ターミナルな状況にある方々にその人らしく生ききっていただくための役割を担っている。日本人は一般的に、体と心と魂を備える存在(全人)のなかで、魂への思いが欠けがちであると言われる。筆者の観察では、戦後の復興過程において経済に軸足を傾け(例えば、池田勇人首相の所得倍増計画)、その結果見事な成果を生み出し経済大国に成り得たのであった。しかしながら、「あまりにも」経済に思いを傾け、目に見えない本当に大切なもの(全人としての魂の分野)を希薄にしてきたようにみえる。
 典型的な日本人として、そんな歩みを続けてきたとしても、ターミナルな状況のなかでは、自らの人生を振り返り「何のために生きてきたのか」「死んだらどうなるのか」といった魂の領域に思いを馳せることが多いと伺っている。筆者がこの財団で担当させていただいた意識調査でもそのような結果が映し出されている。
 ターミナルな状況のなかでも、魂の分野に降り立ち自らの思いを整えることは重要で、遺族にその思いを遺すことは『後世への最大遺物』(内村鑑三)であるのかもしれない。しかし同時に重要なことは、一人ひとり一回だけの人生の真っ只中で、全人としての存在として意味と充実ある歩みを続けることにあると考える。
 筆者は2月に『「働き盛り」のNPO―ドラッカーに学ぶ「真の豊かさ」』を上梓した。人生の真っ只中、「働き盛り」の歩みのなかで、しっかりした信念・哲学・価値観(人生の「タテ軸」)をもち、それに支えられて現実生活のワークライフバランス(人生の「ヨコ軸」。仕事・家庭・社会・趣味)をつくり上げていくことを提唱した。
 ホスピス財団は、ターミナルな状況にある方々を支え、同時にその方々からの人生のメッセージをいただくことができるのかもしれない。全人としての存在を自覚し、一回だけの人生をしっかりと生きていくことに心を向けたいと思う。
 
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“旅立ちのとき” 出版記念講演会
 
旅立ちのとき出版記念講演会チラシ  
■ 講演:「“旅立ちのとき”を支えるケア」
  講師:田村恵子氏(京都大学大学院医学研究科教授)
■ 日時:2015年11月16日(月) 19:00~20:30
■ 場所:サクラ ファミリア(大阪梅田教会)3階 聖堂
■ 定員:200名(先着順)
■ 参加費:無料
 
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『旅立ちのとき・・寄りそうあなたへのガイドブック・・』が発行されました。
 
旅立ちのときの表紙  
 旧『旅立ち』が絶版となり、多方面から再販の要望が多く寄せられていましたが、今般 『旅立ちのとき・・寄りそうあなたへのガイドブック』が新しく制作され、出版の運びとなりました。本冊子が、旧版同様、多くの人に読まれ、死という現実に目をそむけず、死を受け入れる一助になり、人生の最後に寄りそう方々に用いられることを願っております。
  ホームページでも閲覧可能ですが、ご希望の方には1冊200円(送料込)で送付いたします。
 
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ソーシャルワーカーのため為の実践セミナー研修会
 
ソーシャルワーカーのため為の実践セミナー研修会のチラシ  
 今回は信州・松本市での開催です。多数のご参加をお待ちしております。

・テーマ:「地域包括ケア時代の緩和ケアを考える」
・日 時:2015年10月25日(日)10 : 00 ~ 17 : 00(9:30 より受付)
・会 場:松本商工会議所 研修室
・基調講演:講師 秋月 玲子 先生
     (厚生労働省健康局がん対策・健康増進課 がん対策推進官)
 「がん対策における地域包括的ケア時代の緩和ケアネットワーク(仮)」
・講義&ワークショップ:詳細はこちら→
 
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2016年度  事業助成募集のご案内
 
事業助成募集のバナー    ホスピス財団では、本年度もホスピス・緩和ケアに関する事業助成を募集しております。 皆様からの応募をお待ちいたします
     
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ホスピス・緩和ケアフォーラム2016 協力医療機関募集
 
協力医療機関募集のバナー    市民の方々にもホスピス・緩和ケアへのご理解を深めて戴く目的で、本財団が主催し、毎年全国各地で開催しております。
 本財団は2016年度ホスピス・緩和ケアフォーラム開催の協力医療機関を募集いたしております。
     
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ホスピス財団ニュース 29号(2015年10月)が発行されました
 
ホスピス財団ニュース29号の表紙  
 ホスピス財団の活動を紹介した機関紙「ホスピス財団ニュース」29号が発行されましたので是非ご覧ください 。
 
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個人賛助会費と一般寄附が、オンライン(クレジット決済)でも支払いが出来るようになりました
 
決済サービスのwebページの一部    ホスピス財団では、新しく CANPAN決済システムを導入し、ご自宅のパソコンを使用して賛助会費(個人)と一般寄附の支払いが可能になりました。郵便局や銀行へ出向く必要がなく手軽に利用できますので、是非、ご活用ください。詳細はホームページを参照してください。
 
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ホスピス財団の新パンフレットをお分けしております
新しくなったパンフレットの表紙    一人でも多くの方々にホスピスの使命とホスピス財団の働きを知って戴きたいとの思いから、 一般の方にも分かりやすいパンフレット『私たちはホスピス財団です』を制作いたしました。 是非、ご活用ください。ご希望の方には無料で送付いたしますので、ホスピス財団へ E-MAILで、送付先、必要部数を明記してお申し込みください。
 また、ホームページにも掲載しております。
 
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情報コーナー
新刊紹介
 
"輝く日本スピリチャルケア学会 学術大会の表紙  

「人生最後のご馳走」 青山ゆみこ著  幻冬舎 1300円+税 2015年9月刊
 淀川キリスト教病院 ホスピス・こどもホスピス病院で実施されているリクエスト食を取材しつつ、そこに繰り広げられるドラマを紹介した好著
 「このホスピスで、皆さんが語る話から浮かび上がる人生の風景は十人十色。 一人ひとりの顔も声も性格も違うのと同じように、それまで生きてきた道は異なる。リクエスト食は、がん患者という漠然とした顔のない存在から、そんな自分らしさを取り戻すひとつのきっかけになっている気がした」(まえがきより)



 
セミナー関係
 
大39回 日本死の臨床研究会年次大会のチラシ   第39回日本死の臨床研究会年次大会
日 時:2015年10月11日(日)12日(月・祝)
会 場:長良川国際会議場・岐阜都ホテル

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ホスピス・緩和ケアに関する新聞記事の紹介
 
・国立がん研究センターが、がん5年生存率に地域差があることを調査したデータを紹介した記事
(毎日新聞 2015/9/15 掲載)

・乳がんの早期発見を呼びかけるために「ピンクリボン寄席」が開催されることを紹介した記事
(毎日新聞 2015/9/9 掲載)

・がん患者の薬物療法に対する悩みが、この10年で2倍に増えたことを紹介した記事
(読売新聞 2015/9/9 掲載)

・米国で肺がん治療薬「クリゾチニブ」が2011年に承認されたが、その研究に貢献した間野
(毎日新聞 2015/9/3 掲載)

・順天堂大の天野篤医師の「つらいときこそ発想の転換」と題したコラム
(毎日新聞 2015/9/3 掲載)

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